仮面王朝エイシャ=ノワと名を喰う月 メインビジュアル

Eastern Mask Dynasty Fantasy

仮面王朝エイシャ=ノワと
名を喰う月

役を持たぬ少女は、面を持たぬ皇女に、この世にない役を彫る。

Story

仮面は、装飾ではない。
この国で人を人にする“役”である。

東方大陸エイシャ=ノワ。
人は名前だけでは社会に存在できず、家・職・祈り・死者の役までも仮面によって定められる。

若き面師イロハ=ナギは、帝都カミザの片隅にある無認可工房で働く中級面師。
かつて戦争孤児だった彼女は、生まれた家の面も職の面も持たない“仮面籍の外側”の子どもだった。

そんなイロハが王宮奥の白影宮へ呼ばれる。
そこにいたのは、王朝の中心に生まれながら、本来あるべき皇女の面が存在しない少女、サヨ=ミカゲだった。

同じ頃、満月の夜に面が白く変じ、人々の役が喰われる異変《名を喰う月》が帝都に広がりはじめる。

仮面籍

戸籍・身分・職能・家格をまとめる制度。面を持つことが存在すること。

名を喰う月

満月の夜、面に宿る役を白く喰らい、動作や資格や誓いを奪う異変。

未在生面

制度上、まだ存在しない役に触れる危険な面。イロハの核となる秘密。

語り部ウズメ

舞台・役・観客を見つめる舞神。物語そのものを幕として観測する。

Episodes

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第1部完結までの全108節を掲載しています。検索と話数フィルターで読みたい節へ移動できます。

第1話 白い面は月を覚えている

月光を浴びて白化した神楽面。
若き面師イロハは、舞を失いかけた神楽師ユラを通して、“名を喰う月”が人の役を奪う怪異だと知る。

第1話 白い面は月を覚えている

第2話 月箱の皇女

面を持たない皇女サヨの白影宮で、空の面箱に満月が宿る。
イロハは、皇女の未在面と自らの面《ナギノオモテ》が深く結びついていることを悟る。

第2話 月箱の皇女

第3話 抜けない刀の戦面

若き武士ハルマサの戦面が白化し、刀を抜く役が喰われる。
イロハは危険な仮置きによって、彼の刀が「斬るため」ではなく「守るため」にあることを呼び戻す。

第3話 抜けない刀の戦面

第4話 陰陽寮の月読み

暦では半月の夜、陰陽寮の式面の内側に満月が現れる。
イロハと陰陽師セイランは、月喰いが個人の面を超え、王朝の暦と制度にまで及び始めたことを知る。

第4話 陰陽寮の月読み

第5話 定役面《コトサダメ》

典役卿アリノリ=シジョウと定役面《コトサダメ》が、イロハたちの役を正しさで封じようとする。
制度の裁きに対し、まだ存在しない役の可能性が問われる。

第5話 定役面《コトサダメ》

第6話 灰面長屋

仮面籍からこぼれた者たちが暮らす灰面長屋。
イロハとサヨは、面を持たぬ者にも確かにある足音と居場所に触れる。

第6話 灰面長屋

第7話 ウズメの舞殿

ウズメの舞殿で、舞台に立てぬ皇女と白札の神楽師が向き合う。
舞われるまで名を持たない役が、舞台の床下から呼び起こされる。

第7話 ウズメの舞殿

第8話 冥祀社の白い面

ミナ=クラの冥祀社に白い面が運び込まれる。
戻すべき役と、送るべき役の境界で、イロハは冥祀の面と向き合う。

第8話 冥祀社の白い面

第9話 無面原

焼け残った木目を手がかりに、イロハたちは地図に載らない無面原へ向かう。
そこで皇女の未在面と《ナギノオモテ》の罪が明かされる。

第9話 無面原

第10話 名喰月見台

名喰月見台で、保護という名の封印と封役の儀が始まる。
サヨは自分の役を選び、イロハはまだ名のない面へ最初の一彫りを刻む。

第10話 名喰月見台

Characters

登場人物

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イロハ=ナギ

役を持たなかった少女。未在生面《ナギノオモテ》を持ち、月に喰われた役の欠けを見る。

ロウセツ=カガミ

資格を剥奪されたモグリ面師。イロハに禁忌の生面を与えた人物。

サヨ=ミカゲ

王朝の中心に生まれながら、皇女としての面が存在しない少女。

アヤメ=シラハ

皇女サヨを守る若き近習。護衛でありながら王朝の命にも縛られる。

カンナ=ツキシロ

制度側から面の異常を判定する上級面師。冷静な検面官。

セイラン=ナナツジ

暦・方位・式神から《名を喰う月》の条件を読む理論派。

ハルマサ=アカツキ

戦う役を月に喰われた若武士。抜けない刀の戦面の当事者。

ユラ=シラビョウ

舞える役を持っていた少女。舞台へ踏み出す最初の一歩を喰われる。

エンジュ=クラモリ

死者の役を扱う冥祀僧。冥面・役解き・面焼きを司る。

アリノリ=シジョウ

存在する役だけを認める宮廷内の強敵。定役面《コトサダメ》を持つ。

エル=ネフリド

仮面制度を理解しながら、どの役にも属さない白い観測者。

ウズメ=ムゲン命

舞によって、まだ存在しない役をこの世に呼び込む異端の舞神。

Cover Arts

表紙・話扉

第1話 白い面は月を覚えている 表紙

第2話 月箱の皇女 表紙

第3話 抜けない刀の戦面 表紙

第4話 陰陽寮の月読み 表紙

第5話 定役面《コトサダメ》 表紙

第6話 灰面長屋 表紙

第7話 ウズメの舞殿 表紙

第8話 冥祀社の白い面 表紙

第9話 無面原 表紙

第10話 名喰月見台 表紙

Locations

舞台・ロケーション

帝都カミザ、面師小路、王宮、無面原、神域。

帝都カミザ

政治・宗教・仮面籍の中心都市。王朝の美と制度の冷たさが同居する。

面師小路

イロハとロウセツの工房がある裏通り。正規の面師に断られた面が最後に辿り着く。

王宮【月影宮】

皇女と王朝の深部に近づく宮域。白木、朱塗り、月白の回廊が広がる。

無面原

まだ役を持たない木が生える禁忌の地。未在面の素材と関わる。

ソウリン大社

王朝の正統性を支える表の神域。ソウリン大御神を祀る。

ミナ=クラの冥祀社

死者、失われた面、剥がされた役を祀る冥祀の神域。