第1巻:潮名の航海士、海へ出る
第1話 還ってきた名は、別人の声で泣いた
還ってきたはずの名は、別人の声で泣いた。名拾いの少女ルカは、潮が運んだ不可解な還名事件を追い、海底から来た名の影へ近づいていく。
Nel=El Seas / Tidal Name Voyager
失われた名は、潮に沈み、いつか海から還ってくる。
ネル=エル諸海域では、本名をそのまま海へ持ち込んではならない。海は名を流し、ほどき、時には奪う場所である。だから航海者たちは、本名とは別に《潮名》を持つ。
少女航海士ルカ=ネリスは、海から還ってくる名を読む力を持つ少女である。彼女は小さな白い名札船《ナミル=レイ》に乗り、真珠港都市メルナ=レイを起点に、島々と潮流を渡っていく。
やがてルカは、沈没都市の記録を抱く少年エルン=カイオと出会う。ルカが「海から還ってくる名」を読む者なら、エルンは「海に沈んだ名」を読む者。二人は失われた名の行き先を探すため、潮の巡環路《ル=マリナ》へ漕ぎ出す。
STORY
第1巻:潮名の航海士、海へ出る
PART 1
まだ全体像の見えない《七錨静潮機》へ向かって、潮名の航海士ルカ=ネリスと、海底の少年エルン=カイオの旅が動き出す第1部です。
全50節
第1巻:潮名の航海士、海へ出る
還ってきたはずの名は、別人の声で泣いた。名拾いの少女ルカは、潮が運んだ不可解な還名事件を追い、海底から来た名の影へ近づいていく。
第1巻:潮名の航海士、海へ出る
流れない黒い箱、戻らない名札、そして海底から来た少年。ルカは沈んだ名の在処を追い、エルン=カイオとの航海を本格的に始める。
第1巻:潮名の航海士、海へ出る
霧の港イシュラ=マレで、ルカたちは『名を売らぬ海賊』カイラ=マレイスと出会う。名を売る者、買う者、読まない掟が交差する港の物語。
第1巻:潮名の航海士、海へ出る
止まった潮、凍った海面、宙吊りの漂着名札。潮を管理する提督ヴァルカ=ドレインと静潮艦が、ルカたちの航海の前に姿を現す。
CHARACTERS
少女航海士
海から還ってくる名を読む力を持つ少女航海士。白い名札船《ナミル=レイ》に乗り、真珠港都市メルナ=レイを起点に、失われた名の行き先を追う。明るい冒険感と、名にまつわる静かな不安をあわせ持つ本作の中心人物。
少年記録者
沈没都市の記録を抱く少年。ルカが「海から還ってくる名」を読む者なら、エルンは「海に沈んだ名」を読む者。二人でひとつの潮名の謎を読み解く、対になる相棒枠。
SHIPS
潮名の海を渡る船たち。

名を運ぶ小さな光。ルカが乗る白い名札船であり、物語の移動拠点。

潮を止め、海を管理するための軍艦。《錨記庁》の思想を象徴する。

カイラ=マレイスの海賊船。名を売らぬ者たちが集う自由の帆船。
LOCATIONS
真珠港、海賊自由港、軍港都市。ネル=エル諸海域の旅を支える主要な舞台です。

真珠、貝殻細工、潮名の儀式が集まる、ルカの旅の玄関口。

地図に記されない自由港。《潮の掟》によって海賊たちの秩序を保つ。

潮流管理機構《錨記庁》の軍港都市。七つの錨が海と名を縛る。