第1章002_01
【渉】「……はぁ〜い」
【沙羅】「聞き分けのいい子は好きよぉん」
 嬢王様の監視下で俺はしぶしぶ教室の片づけを手伝うことにした。
 まあな、今から刹那を追っても見つからないだろうな。
 でも、気になるぞ。
 連れ去られた桜井はどうなったんだよ。
 もしかして、あ〜んなことや、こ〜んなことを!?
 つーか、まだチャイム鳴ってないから教室出て行っても遅刻にならないし……ってチャイム鳴るまで3分もないけどさ。
 でもさ、やっぱ!
【渉】「行くっきゃないだろ!」
 俺は桜井救出大作戦を実行するべく、教室の外に飛び出そうとしたその時だった。
 教室の中に桜井が入って来た?
【渉】「あれ……桜井?」
 そして、桜井の後ろから気絶している刹那を引きずりながら雪乃が入って来た。
 どういうことですかーっ!?
 どなたか説明プリーズ!
【渉】「桜井、なにがあったんだよ……特に刹那の身に?」
【明日香】「……別に」
 って、別にじゃないだろ!
 俺はすぐさま雪乃に顔を向けた。
【渉】「なにがあった?」
【雪乃】「たまたま登校中に明日香を抱えた夕凪さんに会ってしまって……黒子部隊はなかなかの強敵だったわね」
 静かに雪乃が微笑った。
 その笑みの奥に含まれているものはなんだ!?
 ……つーか、だからなにがあったんだよ!
【渉】「桜井でも雪乃でもいいから、なにがあったのか教えてくれよ」
【明日香】「……別になにもなかった」
【雪乃】「そうそう、なにもなかったのよ……」
 含み笑いを浮かべる雪乃……!?
 結局、二人はなにがあったのか語ろうとしなかった……刹那の身にいったいなにが!?
 ……気になる。
【渉】「なにがあったんだよーっ!!」
【沙羅】「うるさいわよ渉!」
【渉】「はぁ〜い、ごめんなさ〜い」
 謎は謎のままで事件は終わってしまった……。


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