時計の針が深夜の12時を回った。
ラップを掛けられた夕食の前でひとり夫の帰りを待つ代志子。
玄関の開く音に敏感に反応して、笑顔で代志子は席を立って夫を出迎えた。
「お帰りなさいあなた」
夫は妻の顔を見ようともせず、疲れた表情で奥の部屋に消えようとしていた。
「あなた! 夕飯……は?」
背中に声をかけると、溜息をついて夫は振り返らず答える。
「済ませてきた」
「……そう」
奥へ消える夫の背中を見続ける代志子の瞳は濡れていた。
哀しげな瞳。
いや、そうじゃない。
ウィィィィン……
モーターがどこからかする。
代志子は内腿を擦り合わせながら、落ち着かない様子だった。
奥の部屋から現れる人影。
夫ではなかった。
体格もまだまだ小さく、顔にも幼さが残る。つい最近まで母親似と言われていたのが、このごろは父親似と言われることが多くなってきた。大人と子供の狭間で揺れ動く多感な時期。
代志子の潤んだ瞳は、物欲しそうに息子を見つめていた。
「こんなこともうよしましょう……たっちゃん……ああっ」
漏れた喘ぎ声を代志子は口を両手で塞いで必死に抑えた。
達夫は持っているリモコンの弄び、にやにやと笑っていた。
「いやなら自分で抜けばいいだろ?」
「それは……」
口ごもる代志子。
抜けない。
抜け出せない。
ウィィィィィン……
「ああン!」
喘ぎ声が響き渡った。
握られたリモコンは『強』になっていた。
汗を垂らしながら必死に堪える代志子。
行為に付き纏う背徳感。
夫にこんな姿を見られたら……。
声を上げれば夫が来てしまうかもしれない。
妻と息子がまさかこんなことをしていようとは、夫は知る由もない。
「母さん」
耳に声を吹きかけられ、代志子は背筋を伸ばして震えた。
代志子の手首がつかまれた。
硬くて熱い。
夫のモノとは比べものにならない。
なんて若くて逞しい。
すでに下半身を露出している息子の〝息子〟を握らされていた。
代志子の口から涎れが垂れた。
物欲しそうに潤んだ代志子の瞳に映っているのは〝息子〟のほうだ。
達夫は下半身に力を込め、肉棒をビクビクと振るわせた。
「欲しいんだろ?」
「そんな……こと……」
欲しくて、欲しくて堪らない。
ブラの中に達夫の手が侵入してきた。
「自分からおねだりしないとやらないぞ?」
「やンっ」
乳首をコリコリとつねられた。
摘んでいる達夫の人指し指の第一関節までと、同じ長さと太さくらいある乳首。
つねったり、引っ張ったりしているうちに、乳首は徐々に成長していった。
夫は妻の乳首の変化に気づいていない。
その変化に気づいたのは達夫だった。
彼は見ていたのだ。
夜な夜な自慰に耽る母の姿を――。
はじめてそれを目撃してしまった日、父親の帰りはいつもよりもさらに遅かった。
トイレに起きた達夫は、ダイニングルームの明かりがまだ点いていることに気づき、そっと廊下の影から部屋を覗き込んだ。
テーブルに顔を埋めるようにして、動かない母の姿。はじめは寝ているのかと思った。
しかし、違った。
ビクンッ、ビクンッ、と震える母の背中。
熱くこもった息づかいが微かに聞こえてきた。
理解してしまった達夫はすでに勃起してしまっていた男根を取り出し、息を殺しながら激しくしごいた。
その日は手の中でイってしまった。
翌る日も母の自慰を覗き見しながら、自らも耽った。
母は重点的に自らの乳首を責めていた。いや、責められていた。
「ひゃあああン、あなた! だめっ、乳首ばっかり……イクぅ、イっちゃううぅ!」
ビクッ、ビグン!
「なにっ!?」
驚いて顔を上げ目を丸くする代志子。
髪の毛を触ると、ドロッとした。
そして、目の前には白い汁を垂らす反り返った肉棒。
イったのは代志子だけではなかった。
「母さん……おれ、もう……」
「たっちゃん……どうして……だめよ、そんな、だめよ!」
「我慢できないんだ!」
達夫はイスごと代志子の体を押し倒した。
床に物音が大きく響き渡った。
「たっちゃんよして!」
「母さんのせいだからな! 母さんが悪いんだ!」
「たっちゃ……!?」
唇を奪われた。
代志子の舌に舌が絡みついてくる。
強ばっていた代志子の全身から一気に力が抜けた。
息子に犯される。
凶器を突きつけられて抵抗などできるだろうか。
濡れた布地越しに割れ目を押してくる硬い凶器がそこにある。
それはナイフか、それとも銃か。
荒々しい息を立てながら達夫は代志子のパンツを剥ぎ取った。
露わになったその場所を目で堪能することなどなく、達夫は一気に突き刺した。
「ひぐっ!」
舌を出して白目を剥きそうになる代志子。
挿入られただけで殺されそうだった。
「母さん……イグ……」
「だめっ!」
「中に出すよ!!」
暴発した。
ドビュッドグドグッ!
放心状態に陥る代志子だったが、達夫は若い生命力ですぐに回復した。
中で膨れ上がるのを代志子は感じた。
「もうよして……」
「おれだけじゃなくて母さんも満足させてやるよ。好きなんだろ、乳首」
代志子の胸をわしづかみにした達夫は、そのまま乳首を摘んで力を入れた。
「やっ、やン……」
漏れる代志子の声を聞いて達夫はさらに指に力を入れた。
「ああっ……だめっ、そんなにしたら……壊れちゃぅぅ」
「壊してやるよ」
陰を落としながら、にやりと達夫は代志子を見下した。
あのときと同じ笑みを浮かべる達夫の顔が目の前にある。
「ああっ、乳首そんなにしたら、らめぇぇン!」
「母さんの乳首、またデカくなったんじゃないの?」
達夫は長く伸びた乳首をつまみながら、腰を激しく振っていた。
男根が伸びた膣口を出し入れするたびに、液を散らしながら音を立てる。
乳首が円を描くように回された。
乳房がつき立ての餅のように柔らかく揺れる。
ぎゅうぅぅぅっ!
乳房が押しつぶされた次の瞬間。
ビュッ!
乳首から絹糸のような白い線を引く何かが出た。
白く濡れた乳首と乳輪を達夫は口に含んだ。
「オマン…コよひ……こっひのが濡れてるね母さん」
「あひっ! ぎゅってしなひでぇっミルク止まらないのぉぉぉ!」
「おれも出る!」
「中に出して、いっぱいおちんぽミルク頂戴あぁい!」
ドブッ。
「たっちゃんのミルクいっぱい注がれてるぉぉぉぉ!」
ビクッ、ビクゥッ!
ドププドブドブドブッ……。
男根が抜かれ、割れ目からケツ穴まで垂れる白い汁。
マグマを噴き出す噴火口のように、ドブドブと熱い汁が溢れ出す。
床にぐったりと倒れ込んだ代志子の耳に、幼い子の泣き声が聞こえてきた。
快感の余韻に浸りながらも、ゆっくりと立ち上がり我が子の元へ行こうとする代志子。
そんな代志子の背中を見ながら達夫はニヤリとした。
「今度は妹がいいな」
背筋を凍らせた代志子は、このときはじめて後悔した。
おわり