昼間の暑さが夜に尾を引いていた。
吹く風は生温かく、虫の音は風流と言うよりイライラとする。
「クソ店長め、いつも俺ばっかり仕事押しつけやがって」
バイト帰りのケンスケは愚痴をこぼしながら、近道の公園の中を横切ろうとしていた。
街灯もなく、木々が生い茂る鬱蒼とした園内で、少し夜は不気味だ。
ガサガサッ!
急に草木が揺れるような物音がして、ケンスケはドキッとして身を強ばらせた。
辺りを見回す。
風……だろうか?
ガサッ!
急に植え込みの中から人影が飛び出してきた!
「ぎゃっ!」
男ながらに短く悲鳴を上げてケンスケは足下がふらついた。
現れたのはロングコートにガスマスク。見るからに不審者だ。
不審者はバサッと急にロングコートの前を開けた。
思わず声を荒げるケンスケ。
「ええーっ!」
その光景は予想に反していた。
予想とは、つまり変質者のオッサンが、コートの下は全裸パターンでしただ。
しかし、ガスマスクの変質者がコートの下に着ていたのは、体操着にブルマだった!
ぴちぴちの体操着を押し上げているのは巨乳。興奮しているのか、乳首がピーンと勃っている。
パニック状態で後退りをするケンスケに変質者が飛びかかってきた。
「あなたのおちんぽちょうだぁ~い!」
マスクでくぐっもているが、甘く色っぽい艶のある女の声だ。
尻餅をついてM字に足を広げたケンスケの股ぐらに、蛇が地を這うように変質者が登ってくる。
変質者のしなやかな手がオスの股間に伸びる。
ベルトが外され、チャックが音を立てて下ろされる。トランクスの中にまで手を突っ込まれ、だらん怯えている男根が鷲掴みにされ外気に晒された。
ゆっくりと変質者の手が上下に動き、男根をねちっこくしごきはじめる。
「うっ」
思わずケンスケは呻いた。カリの段差を刺激されると弱い。
変質者の手の中で弄ばれながら、見る見ると大きくなっていく男のシンボル。
ガスマスクの向こう側で妖しく瞳が輝いている。
変質者は体操着を鎖骨の辺りまでまくり上げた。溢れる白い巨乳。ノーブラだった。
重力に負けて少し垂れている巨乳。熱帯夜と興奮からか、尋常でないほど汗ばみ、珠がいくつも胸のカーブを落ちていく。
乳輪と乳首は少し大きめで、共にツンと尖っている。
その乳首の先からピュッと乳白色の液体が飛び出した。
ピュッ、ピュッ!
拡散して飛ぶその液体は間違いなく母乳だった。
変質者は巨乳の谷間にケンスケの男根をはさみ、左右からむにゅむにゅと押した。
それだけで鈴口から先走り汁が出てしまった。
汗と母乳の混じり合ったローションでパイズリをされる。
その巨大な胸が得体の知れない生き物に思えた。
柔らかく重みのある肉がたぷたぷと動きながら男根を摩る。
変質者は自らの胸を持ち上げるように、右胸、左胸と順番に行進をするよう上下させる。
ガスマスクから漏れてくる息。荒く、苦しげで熱っぽい。
「おっぱい気持ちいいでしょう?」
「は、はい……気持ちいいです」
ワケもわからないうちに変質者に襲われ、されるがままに犯され、主従関係が自然とできあがっていた。
変態女に犯されている自分を思うとケンスケは身悶えた。現実とは思えない出来事。夢なら覚めて欲しくないと願った。
だが、急に変質者が立ち上がって、ケンスケは裏切られたような気分になった。
まだイッてないのに終わり?
寸止めなんて酷い。
男根は先走り汁を噴きながらビクビクと頭を振っている。
変質者がガスマスクの下から声を響かせる。
「ここからが本番よ」
その言葉にケンスケの期待は高まり、胸が張り裂けんばかりに脈打った。
だが、ケンスケの顔は見る見るうちに絶望に染まっていく。
「そんな……まさか……」
ケンスケの瞳に映った異様な光景。物体と言ったほうが正しいかもしれない。
変質者の股間でブルマが異様に膨らんでいる。まるで硬い棒が仕込んであるような――。
のど仏を上下させ硬い唾をケンスケを呑み込んだ。
ブルマがゆっくりと下ろされる。
ズンッ!
棍棒のごとく飛び出した肉の棒!
それはケンスケのモノより遥かに大きい、太く、長く、立派に脈打って、ビゥンビゥンと大きく頭を振って先走り汁を飛ばしている。
その汁がケンスケの顔にかかった。
青臭い。
ホンモノだ!
変質者の肉棒の根本には玉が二つ。生き物のようにキュッと締まるように動いた。
ケンスケは眼を見開き、変質者の肉棒と巨乳を何度も行き来して見比べた。
完全にケンスケはパニックだ。
襲われたうえに、相手はガスマスクに体操着、巨乳と肉棒を持ち合わせているのだ。
悪夢なら覚めてくれとケンスケを願った。
しかし、これは現実だったのだ。
変質者は馬乗りでケンスケの体から自由を奪い、あろうことか腰を沈めて挿入(いれ)ようとしてきたのだ。
鷲掴みにされたケンスケの男根は、柔らかい手の中で勃起していた。こんな状況にありながら、まだビンビンに勃起させてしまっていたのだ。
亀頭の先っぽがしわに触れた。
呑み込まれる!
「あああっ」
怯えたような掠れた声でケンスケは呻いた。
モンスターのケツ穴に自分の男根が喰われてしまった。喪失感が襲う。それは大切なモノを失っただけではなく、取り上げられ壊された気分だった。
放心状態のケンスケはぐったりとして地面に寝転んだ。
構わず変質者はがに股で自らの胸を揉みしだきながら、腰を上下させて直腸で男根を味わっている。
「ンっ……ンはぁっ……」
ガスマスクから漏れてくる肉情の吐息。
揺れる巨乳からミルクがスプリンクラーのように噴き出す。
乳白液でぐしょぐしょに穢されるケンスケ。
無抵抗の躰に駆け巡る電流。
男根が括約筋に締めつけられ、強引にしごかれている。
自然とケンスケの腰が浮いた。
「ああっ」
男なのに恥ずかしく呻いてしまう。
変質者は腰を上下させるだけではなく、円を描くように回してグリグリと男根を甚振る。
ケンスケは身をよじりながら地面に爪を立てた。
「ひいっ、気持ちいい」
「可愛い声出しちゃって、変態さんなんだから」
変態に犯され変態呼ばわりされた。
ケンスケを犯されながら薄めで夜空を眺めた。
星が瞬き、月が嗤っている。
ここで夢ではなく現実の野外だと思い出すと、さらにケンスケの躰は熱く汗ばんだ。
静かな夜だ。
肉がぶつかり合う音がよく響く。
卑猥な音だ。
声を出せばさらに響いてしまう。
「ううっ!」
それでもケンスケは呻くことをやめられない。
急にケンスケの躰が強ばった。
聞こえてくる。
若者の楽しそうな笑い声。公園の向こう側の道から男女の会話が響いてくる。
強引に立たされたケンスケは植え込みの影に引きずり込まれ、そこで躰をくの字に曲げさせられた。背後には肉棒をグングンさせた変質者が立っている。
まさか――とケンスケの頭に恐怖が過ぎった。
声を出して叫びたかった。
しかし、叫びはグッと呑み込まれたのだった。
男女が自分たちの前を何も知らず横切ろうとしている。
その最中に肛門をこじ開けられ、変質者の肉棒がメリメリと這入って来たのだ。
ケンスケを歯を食いしばった。ここで叫べば見知らぬ男女に気づかれる。
「んっ」
口は縛っても鼻から声が漏れてしまった。
目の前の男女は立ち止まってじゃれ合うように笑い合っている。
変質者は容赦なかった。
ズンッ、ズンッ!
処女だったケツ穴が乱暴に扱われる。
自然と涙が零れる。ひざがガクガクと震え、太腿に伝わる鮮血。
目の前の男女はだれもいないと思っているのだろう。抱き合ってキスをはじめた。すぐ近くで変態行為が行われているとも知らずに。
ケンスケはもう我慢できず声を出す寸前だった。だが堪えて、変質者の片手を掴み、その手を自分の口の中に突っ込んだ。
汗ばんでいた変質者の手を少し塩気がした。その手を押すようにして噛んだ。噛み切るようにではなく、食いしばるようにだ。
変質者は手を引き抜いて逃れようとしなかった。それどころか、指を動かしてケンスケの舌を弄ぶ。ケンスケの抵抗をじゃれている程度にしか思われていない。
男女は激しく舌を絡めてキスを続けている。
ひざが折れて倒れそうになったケンスケの躰を変質者が支える。胴や腰を掴んだりなどして支えたのではなく、男根を鷲掴みにして押し上げたのだ。
「ンああっ!」
堪らず出たケンスケの声が響いた。
キスをしていた男女は、女のほうが男の躰を押して離れ、辺りを見回した。そして、女が男の手を引いて、この場から立ち去ってしまった。
ケンスケの顔中から大量の汗がぼとぼと地面に垂れた。
「ううっ、もう……やめて……ください」
「本当にやめて欲しいの? おちんちんこんなにさせて?」
男根がシゴかれる。
イキたくて仕方ない。けれど、ケツ穴を犯され、こんな状況でイカされるなんてイヤだ。
「ああっ……ゆるして……」
「許さない」
ガスマスクの下で低く響いた声。
ズンッズンッズンッ!
変質者の腰が激しいリズムを刻む。
ケンスケは顔をぐしゃぐしゃにした。
「うわぁああっ!」
一線を越える。
変質者の手の中で弄ばれていた男根が大きく膨らんだ。
ビュッ!
ズビュビュビュビュビュビュビュッ!
噴いてしまった。
これまで出したことがないほど大量の白濁液。
変質者は白濁液のついた手でケンスケの後頭部の髪を鷲掴みにして引っ張った。
「イクぅ……わたしもイッっちゃうぅッ!」
どるるるるるるっ!
濁流が直腸を満たしていく。
ぬぽっ!
ケツ穴から肉棒が抜かれ、力なくケンスケを地面に倒れた。
肛門を閉める力も残っておらず、汚らわしい白濁液が穴から溢れてしまう。
「うう……ううう……」
ケンスケは泣いていた。
それを尻目に変質者は賢者タイムに入り、煙草の煙で遊んでいた。
煙草を吸っている?
ガスマスクを外している!?
ケンスケは絶え絶えの息で立ち上がった。
「せめて顔を……見せ――ぐはっ!」
最後にケンスケが見たものは、むっちりした太腿だった。
回し蹴りを喰らったケンスケは気を失ってしまった。
――次の日。
バイトが終わり休憩室に行くと、女店長が煙草を吸っていた。
今日も店長にこき使われたケンスケは、なるべく目線を合わせないようにして、さっさとこの場から立ち去ろうしたのだが、鼻に香ってきた煙草の臭いを嗅いだとき、急に勃起してしまった。
チラッと店長はケンスケを見たが、興味なさそうな顔をしてすぐに視線を外した。
店内を出ると今夜も蒸し暑い。頭が沸いてしまいそうだ。
ケンスケは今日も公園を横切ることにした。
ガサガサッ!
植え込みから人影が飛び出してきた。
現れたガスマスクの変質者はコートの前を勢いよく開いた。
ケンスケはニヤけた。
今日はスクール水着だった。
天気予報によると熱帯夜はあと数日続くらしい。
おしまい