第1章004_01
 雪乃の家に上がらせてもらい、縁側に連れて行かれると、そこでは彰人と真央が仲良くスイカを食べていた。
【真央】「花火見ましたかぁ? 綺麗だったですよねぇ」
【彰人】「渉と桜井さんは二人で見たの?」
【渉】「まあな」
 と答え瞬間、桜井は俺にガン飛ばした。
 そんなに二人っきりでいたってことを人に知られるのが嫌なのか?
 そうなのか?
 そうなんだろ!
【彰人】「俺と真央ちゃんはここで見てたんだ」
【真央】「あ、あの、そのぉ」
 真央は恥ずかしそうな顔をしてなにかを言おうとしてるみたいだけど、言葉になってない。
 ふ〜ん。
 つまり、俺らが屋根にいた頃、二人はこの縁側で花火を見てたわけか。
 俺が屋根の上で決断を迫られてた頃、下ではいい感じだったみたいだな……ふっ。
 いいさ、腹壊すまでスイカ食ってやる。
【渉】「そこに置いてるスイカ食っていいの?」
【雪乃】「ええ、どうぞ。そこにある分で足りなかったら、まだ冷えたスイカがあるから言ってね」
【渉】「どんどん持って来い、食って食って食いまくってやる」
【明日香】「ばかじゃないの」
【真央】「麻生さんどうしたんですかぁ?」
【彰人】「ヤケ食いか?」
【渉】「スイカを腹いっぱい食いたい気分なだけだ」
【雪乃】「お腹お壊しちゃうわよ」
【渉】「いいからどんどん持って来い!」
 と最初の頃は意気込んでいたが、数分後――スイカを食いはじめて時間が経つにつれて腹の調子が……。
【真央】「麻生さんの顔青いですよぉ」
【彰人】「スイカの食いすぎだろ」
【明日香】「ホントばか」
【雪乃】「どうする麻生君? あと一玉あるけど?」
 すでに5個は食ったと思う。
 スイカを食った今までの新記録だと思う。
 でも、あと一個は……いや、俺は男になんるんだ!
【渉】「あと一個くらい軽い軽い、早く持って……うぅ」
 ぎゅるるるるぅ。
 腹が奇妙な音を立てはじめた。
【渉】「ううっ」
 ヤヴァイ、胃から上ってきたみたいだ……。
【彰人】「死ぬなこいつ」
 限界だ……。
【渉】「ううぅ」
 ぎゅるるるるぅ。
 限界に達した俺は急いでトイレに駆け込んだ。

 ――ふぅ、スッキリした。
【雪乃】「もう大丈夫になった?」
【渉】「まあ、なんとか」
 まだ少し気持ち悪いけど、腹の方はだいじょぶそうだ。
【彰人】「ったく自業自得だよな」
【渉】「スイカが俺を呼んでいたんだ」
 ……あれ?
【渉】「桜井は?」
【真央】「帰っちゃいましたよぉ」
【彰人】「おまえがトイレに行ってる間にな」
【雪乃】「今ならまだ間に合うかもね」
 ここで桜井を追いかけなきゃ俺って最後まで駄目な男で終わっちまうもんな。
【渉】「俺も帰るわ、うんじゃまたな」
【彰人】「またな」
【真央】「さよならぁ」
【雪乃】「じゃあね麻生君」
 3人に見送られながら俺は急いで桜井を追った。


005へ


サイトトップ > ノベル > 至極最強 > 第1章004_01 ▲ページトップ