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刹那編001 |
■■■b006 青空(背景CG) 眩しいくらいの青い空に轟音が鳴り響き渡る。 ■■■G504 その他(空を飛ぶ核ミサイル) ●●●SE034 ミサイル(ゴオォォォォ!轟音を鳴らすミサイル)〈リピート〉 雲を切りながら上空を飛ぶミサイル。 ミサイルはもう間じかまで迫っていた。 もう駄目だ、俺たちは一巻の終わりなんだ。 短いジンセーで幕を閉じなきゃいけないのかよ。 まだ死にたくねえ! だって、俺はまだあいつに――。 ●●●SE034 ミサイル(ゴオォォォォ!轟音を鳴らすミサイル)〈ストップ〉 ■■■b006 青空(背景CG) ■■■〈背景消去・画面を白く〉 ●●●SE024 爆発音(ドカーン!) ■■■b000 教室(背景CG) ●●●SE011 風を切る音(ビュン!チョークを投げる) ●●●SE000 衝突音1(パコーン!とチョークが頭に当たる音) 【渉】「痛ぇっ!」 ▲▲▲BGM000(スタート) ……教室? 【渉】「夢かよ!」 【沙羅】「大声なんて出して、まだ寝ぼけているのかしら?」 ――あったまマジ痛ぇ。 まるでなんかに刺されたみたいだ。 例えて言うなら、拳法の達人に人差し指で脳天を突かれた感じに似ている。まあ、拳法の達人にそんな攻撃受けた経験のない俺の例え話だから、信用性に欠ける例え話だけどな。って、それって例え話になってないじゃん! だめだ、まともな例え話もできないんて、俺の脳ミソはまだ寝てるらしい。 俺は痛む頭を抑えながら、自分の机に落ちている白い物体Xを見た。 眠りから機能回復してない頭をフル回転で、白い物体Xについて分析解読してみよう。 ピピピピピピ……。 解析に出るときの電子音を俺的に表現してみたけど、どうよ? まず、色は白だ。 形は長細い円柱形をしている。 そして、先っぽが砕けたように割れている。 わかったぞ! 俺はわかってしまったぞ! これは白いチョークだ!! 【渉】「……って、ヤヴァイ」 俺は恐る恐る視線を上げた。 ■■■A030 沙羅・白衣(表示) 教壇に立っているグラマーボディの白衣と眼が合ってしまった。 あの眼は肉食獣が小動物を見る眼だ。しかも、殺る時の眼。 獲物を品定めするように沙羅先生は唇を舌で舐めた。 【沙羅】「あたくしの授業で眠るなんて、いい度胸してるわね」 【渉】「あはは、やだなぁ、沙羅先生の授業でなるハズないじゃないですか」 【沙羅】「それなら、あなたが寝ていないということを証明してくれる証人を召喚して、あなたの無実を証明してみなさい!」 【渉】「はっ?」 【沙羅】「証人がいないのであれば、あなたは有罪確定よ……ふふっ」 【渉】「わかりました、今すぐ探しますから!」 これは非常にマズイ状況だ。 突拍子もない展開だが、かな〜りヤバイ。 早く証人を探さなければ、きっと俺は沙羅先生にお仕置きされてしまう。そんな恐ろしい目には絶対遭ってなるものか! 教壇に立つグラマーボディが売りの科学教師――上條沙羅先生はこの学校一の変わり者で有名だ。 変わり者で科学教師ときたら、マッドサイエンティスト!! すんげえ王道だ。 しかも、性格は『上條沙羅を中心に世界は回っている』って感じの嬢王様タイプ。逆らったら最期、謎の実験台にされてしまうと、もっぱらの噂だ。 ■■■A030 沙羅・白衣(消去) つーわけで、俺は証人を探さなければならない! ■■■A000 明日香・制服(表示) まずは、俺の片想いの仔猫ちゃんだ! ■■■G000 イベント明日香(机に座る明日香が頬杖を付ながら、上目遣いでこちらを見る) ■■■G001 イベント明日香(目の部分だけ差し替えて、視線を逸らす) ■■■b000 教室(背景CG) ■■■A000 明日香・制服(表示) ――ぐあっ! 俺と視線が合ったとたんにガン飛ばされたし。 しかも、すぐ視線を逸らされた。 ふっ……でもいいのさ、瞬間だったが視線が合ったんだから……俺はそれだけで1日ハッピーデイさ。 でも、今の上目遣いは悩殺されちまうほど可愛かった。 あの桜井のガン飛ばしは心のメモリーにしまって置くぜ。 ■■■A000 明日香・制服(消去) 桜井にはずっとあんな態度されっぱなしだ。 もしかして俺ってあいつに嫌われてるのか? いや、あいつは男子に対してはみんなあんな態度だ。 ってことは、俺も数多くのオオカミの1人ってことかよ! たしかに、あの仔悪魔チックなつり上がった瞳に見つめられたら、小柄でキュートボディを押し倒したくなる衝動には駆られるけどさ。俺は断じて身体が目的……じゃない……とは言い切れないな。 ●●●SE008 トキメキ(ポワワワァン♪トキメキ。) だって男の子だもん♪ そんなことよりも次の証人を探さねば! よし、ここは幼馴染のよしみってことで、 【渉】「雪乃、助けてくれ!」 ■■■A020 雪乃・制服(表示) 【雪乃】「私に頼られても困るわ、これでも神主の娘ですもの。真実を証言するけど、それでもいいの麻生君?」 静かに淡々とした口調で、証言拒否されたし。しかも、なぜか微笑で言われた。 ■■■A020 雪乃・制服(消去) だめだ、こんなとき女は当てにならない。すぐに裏切られる。となれば、あいつしかいない! ■■■A040 彰人・制服(表示) 【渉】「助けてくれ!」 【彰人】「それはできないな。人をすぐ頼ろうとするのはおまえの悪い癖だぞ」 【渉】「つーか、俺を助けてくれないのは、沙羅先生が怖いだけだろ」 【彰人】「そんなはずないだろ。友人として、時には鬼にならなきゃいけないこともあるんだ」 俺はおまえのこと親友だと思ってたのに……。ふっ、友に裏切られるなんてな、人間なんてしょせん薄情な生き物さ。 【渉】「ふっ、やってやるさ、俺はおまえに頼らなくても強く生きてみせる!」 ●●●SE001 決めポーズ(シャキーン!) ■■■A040 彰人・制服(消去) ■■■A030 沙羅・白衣(表示) 【沙羅】「感動の場面は演出しなくてもいいから、早く証人を見つけなさい」 沙羅先生が俺を見て嘲笑ってる。すでに勝利を確信されてるみたいだ。ヤヴァイ、早く証人を見つけなければ。 ■■■A030 沙羅・白衣(消去) ――証人が見つからない。これじゃあ有罪が確定してしまう。 俺は必死で教室中を見回して、ある人物と目が合った。 ■■■A010 刹那・制服(表示) 【渉】「刹那! 生徒会長としての権限で俺を救ってくれ!」 俺が声をかけたのは、この学園の生徒会長である夕凪刹那だった。 【刹那】「どうしたんだい渉クン? ボクに用かなァ?」 ううっ、眩しい……刹那の白い歯が人口太陽と化して俺の目に直撃! この刹那の必殺爽やか笑顔に何人の戦士たちが敗れていったことか……俺は無念でならない。 実を言うと、こいつには頼りたくなかった。なぜって、こいつは俺のライバルなのだ! この野郎は金持ちで美形で才色兼備の生徒会長で、変人で、変人で、変人で、しかも俺の愛しのベイビー桜井を狙ってやがるんだ。 つーか、俺が思うに刹那ほど白い学ランの似合う奴はいない。うちの学校ブレザーなのに、刹那だけ白い学ラン……真夏でも。 【渉】「俺が寝てなかったと証言してくれ。おまえの言葉だったら沙羅先生も納得するだろ」 【刹那】「う〜ん、それは難しいなァ。だって、渉クン寝てたよ。そもそも沙羅先生に叛旗を覆すなんて、渉クンもばかだなァ」 【渉】「ばかとか言うなよ」 【刹那】「ごめん、言い直すよ。IQ猿以下」 ▲▲▲BGM000(一時停止) ●●●SE007 ガ〜ン!(ガ〜ン!ショック。) ▲▲▲BGM000(スタート) さらっと爽やか笑顔で言いやがった。ムカツク。 【渉】「……おまえが女じゃなかったら、俺は速攻でおまえを殴り飛ばしてたぞ」 【刹那】「わァ、暴力反対」 今のセリフを抑揚のない感情ゼロの棒読みで言いやがった。 そーゆー言い方されるとよけいに腹が立つ。 俺は拳をぎゅっと握り締めて、モーソーの中で刹那にあ〜んなことや、こ〜んなことをしてやったぜ……ニヤリ。 ったく女子のクセして男子の制服着やがって……萌えるだろ!! しまった、俺自身がよからぬモーソーをして話を本題からずらしてしまうところだった。 恐るべし刹那マジック!! って俺が勝手にモーソーしただけか。 ■■■A010 刹那・制服(消去) もう、だめだ……俺には打つ手がない。将棋で言うと、『待った』って言いたい状況だ。もしくは、将棋の駒台をひっくり返して逃亡!! ■■■A030 沙羅・白衣(表示) 【沙羅】「さぁ〜て、ミスター麻生。判決の時が来たようよぉん♪」 判決っていうか死の宣告。 【渉】「沙羅先生、優秀な弁護人を呼びたいのですが?」 【沙羅】「だめよ」 【渉】「どうして?」 【沙羅】「あ〜らだって、あたくしが裁判官であり、検事であり、弁護士ですもの」 つまり沙羅先生には逆らえないってことですね。さすが、嬢王様! って関心してどうする。 ■■■A030 沙羅・白衣(消去) 俺の脳ミソよ、今こそ覚醒める時だ!! ●●●SE002 覚醒めるとき(キュイン!×4ゴゴゴゴゴゴォォォォ!) 脳ミソネバーエンディングに回転して、この状況を打開してくれ! ……なにも起こらない。 今の音は幻聴だったようだ。 むしろ、他人の力でもいいから俺を助けれくれ! 神様仏様でもいいから! ここは妥協して悪魔でもいいからさ。 ●●●SE003 警報音(ウゥーン!ウゥーン!) ▲▲▲BGM000(消去) ▲▲▲BGM001(スタート) な、なんだこのサイレンは!? いつもの避難訓練の時のサイレンとは違うぞ? ■■■A030 沙羅・白衣(表示) 【沙羅】「緊急事態よ」 【渉】「はっ?」 教壇の上に置かれたノートパソコンと沙羅先生は睨めっこしていた。 【沙羅】「正面ゲートを敵が突破したみたいだわ」 【渉】「意味不明です、先生」 【沙羅】「それはあなたが凡人だからよ」 ▲▲▲BGM000(一時停止) ●●●SE007 ガ〜ン!(ガ〜ン!ショック。) ▲▲▲BGM000(スタート) ■■■A030 沙羅・白衣(消去) ■■■A010 刹那・制服(表示) 【刹那】「あはは、やっぱり渉クンっておばかさんだなァ」 【渉】「二人そろって、俺をいじめて楽しいか?」 ■■■A020 雪乃・制服(表示)〈刹那と並べて表示〉 【雪乃】「それよりも先生、なにが起きているのでしょうか?」 ■■■A030 沙羅・白衣(表示)〈刹那と雪乃間に割って入るようにして表示〉 【沙羅】「つまり敵襲よ」 【渉】「はぁ?」 この先生はあふぉか。 敵襲ってありえねぇよ。 やっぱり、あふぉと天才は紙一重なんだな。 【沙羅】「正面ゲート――正門の厳重なセキュリティーを突破するなんて、敵もなかなかやるわね」 【刹那】「あそこには対戦車ロケット砲もあったのにねェ」 つーか、そんなセキュリティーシステムがあったなんて、初耳だぞ! しかも、なんで刹那まで知ってるんだよ。 【雪乃】「先生、非難しなくてもよろしいのでしょうか?」 【沙羅】「そぉねぇん、そろそろ緊急放送が入ってもいい頃だけど。連絡本部はすでにやられてしまったのかしら?」 ■■■A010・A020・A030 刹那・雪乃・沙羅(全キャラ消去) ――その時だった。 ●●●SE004 校内放送(ピンポンパンポ〜ン♪) うわっ、臨場感に欠ける音だ。情けねぇ。 【放送】「教師に指示に従い、速やかに非難せよ。教師に指示に従い、速やかに非難せよ。これは演習ではない、実践である。繰り返す、これは演習ではない、実践である!」 ●●●SE005 校内放送(ポンパンポンピ〜ン♪) 【渉】「はぁ!?」 意味不明だ。いつからここは軍隊になったんだ。 つーか、俺のマイハニーが心配だ! ■■■G000 イベント明日香(机に座る明日香が頬杖を付ながら、上目遣いでこちらを見る) ■■■G001 イベント明日香(目の部分だけ差し替えて、視線を逸らす) ■■■b000 教室(背景CG) また、ガン飛ばされたし! やっぱ、俺、嫌われてるのか? ■■■A040 彰人・制服(表示) 【彰人】「なんだか大変なことになってきたな」 【渉】「いや、俺はな〜んちゃって、今のは嘘ですってオチもあると思うんだが」 【彰人】「こんな壮大なドッキリあるわけないだろう」 【渉】「つーか、マジだったらヤバイだろ」 【彰人】「それもそうだな」 ■■■A040 彰人・制服(消去) ■■■A020 雪乃・制服(表示) 【雪乃】「先生、教師に指示に従い、非難するように放送がありましたけれど?」 ■■■A020 雪乃・制服(消去) ■■■A030 沙羅・白衣(表示) 【沙羅】「エブリバディ、よく聴くのよ。今から学園の地下にある核シェルターに非難するわよ」 【渉】「マジかよ!」 核シェルターまであるのか、この学校は……嘘だろ。 【沙羅】「早く起立なさい!」 ■■■A030 沙羅・白衣(消去) 夢なら早く覚めてくれって感じだな。また沙羅先生の授業中に覚めるのはイヤだけど。 ●●●SE006 扉を開ける1(ガラガラガラ。教室のドアを開ける音) 【???】「たのも〜〜〜っ!」 な、なんだ、いかにも道場破りをしに来ましたみたいな掛け声は!? ■■■G100 刹那(教室のドアに堂々と立つB刹那全身)〈足元からパーンして顔を映す〉 ●●●SE001 決めポーズ(シャキーン!)〈B刹那の顔が表示されたところで〉 ■■■b000 教室(背景CG) ■■■A011 B刹那・制服(表示) 【???】「たのも〜〜〜っ!」 【渉】「刹那じゃんか!?」 あれはどっから、見ても刹那だ。違いを述べるとしたら、服に色くらいか? 格闘ゲーで言うところの2Pキャラ。 本家刹那がホワイトなら、あいつはブラック刹那だ。 ま、まさか、刹那って一卵性双生児だったのか!? 驚愕の新事実発覚、明日の新聞記事の一面を……飾れはしなけどな。 【B刹那】「上條沙羅博士の命を貰い受けに参上仕った」 命を貰い受けるってつまり殺しに来ましたってことかよ! つーか、先生、どんなヤヴァイ事に手を染めてんだよ。 ■■■A030 沙羅・白衣(表示)〈B刹那と並べて表示〉 【沙羅】「あたくし、他人に命を習われる筋合いなくってよ!」 【B刹那】「あなたになくとも、こちらにはあるのですよ」 【沙羅】「そもそもあなた何者よ?」 【B刹那】「冥土の土産に覚えておくがいい、オレの名前は刹那」 【沙羅】「ま、まさか!?」 なんか、本家刹那よりこっちのブラック刹那の方がクールでカッコいいぞ。本家はただの変人だからな。つーか、刹那と名前同じかよ! やっぱ、こいつの呼び名はブラック刹那で決定だな。 【B刹那】「いざ、覚悟!」 床を蹴り沙羅先生に飛び掛るB刹那! しかし、B刹那の視線が標的の沙羅先生から外れた。 【B刹那】「……な、なんと!?」 B刹那の視線の先にいたのは、なんと!? ●●●SE008 トキメキ(ポワワワァン♪トキメキ。) ■■■G002 明日香(G000の背景を乙女チックなモーソー100パーセントに入れ替え) 【B刹那】「なんて可愛らしい人なんだ」 B刹那悩殺!! 奴の視線の先にいたのは、俺の恋人(予定)である桜井だったのだ! あの野郎、刹那と一緒で桜井のこと狙うつもりか! 許さん! とは言っても、俺は自分の席で呆然と一部始終を見ているだけだった。だって、関わらないほうがいい雰囲気が出てるから。頭のイカレてる奴らと関わったらロクなことがない。 【B刹那】「嗚呼、オレの愛しの人よ。お名前をお聞かせ願えませんか?」 【明日香】「イヤ」 きっぱりはっきり即答したぞ。偉いぞ桜井! それでこそ、クールな女ナンバーワンの桜井だ!! 言葉を変えれば『冷たい女』とも言えるが、ここはあえてクールと呼ぶさ。だってカッコイイじゃん。 ■■■b000 教室(背景CG) ■■■A000 明日香・制服(表示) ■■■A011 B刹那・制服(表示)〈明日香と並べて表示〉 【B刹那】「あはは、イヤだなんて心にもないことを。そんな恥らうキミも素敵だァ!」 恥らってねえよ! 【明日香】「……こいつ、ばかぁ?」 困惑の表情を浮かべる桜井。 このB刹那って野郎、桜井に対しても刹那と同じ態度取りやがる。 普段の刹那は天然なのかワザとやってるのか微妙な性格してるくせに、桜井を前にすると『王子様スイッチ』がオンされるのだ。 どうやら、こっちのB刹那も同じらしい。 【B刹那】「さあ、オレと一緒に、この学校という牢獄を飛び出して、外の世界に行こうじゃないか!」 【明日香】「相手にしてらんない」 【B刹那】「大丈夫、オレがついてるから、心配することはなにひとつない」 心配事ありすぎのような気がするが……。 【明日香】「……だから」 桜井は溜息を吐いて目を伏せた。 会話継続不可能と判断したのだ。やはり人間と宇宙人のコミュニケーションは成功しないと見える。 自分ワールドに浸ってしまっているB刹那になにを言っても無駄だろう。 あ、そう言えばさ、B刹那って沙羅先生を殺しに来たんじゃなかったっけ? その話はもうどうでもいいわけ? ■■■A000 明日香・制服(消去) ■■■A011 B刹那・制服(消去) ■■■A010 刹那・制服(表示) 【刹那】「ちょっと待ちたまえ!」 ●●●SE001 決めポーズ(シャキーン!) おお、ついに本家刹那もスイッチオンか! 【刹那】「明日香クンはボクのものだ」 【渉】「ちょっと待て、いつからおまえのもんになったんだよ?」 ついうっかり、声に出して聞いちゃったよ。 自ら渦中に飛び込んでしまった……俺ってバカ? 【刹那】「生まれたときから赤い糸で繋がっているのさ」 ■■■A011 B刹那・制服(表示)〈刹那と並べて表示〉 【B刹那】「甘いな、オレは前世からだ」 なんか子供同士の言い争いだぞ。レベル低っ! ■■■A010 刹那・制服(消去) ■■■A011 B刹那・制服(消去) ●●●SE009 席を立つ音(ガタン。座席を立つ音) ■■■A000 明日香・制服(表示) 【明日香】「先生、気分が悪いので保健室に行ってきます」 席を立った桜井は沙羅先生の答えを聞く前にさっさと教室を出ようとした。逃げるが勝ちだ。 だが、桜井の前に立ちはだかる黒い影。 ●●●SE010 移動1(サッ!人が瞬間的に場所移動) ■■■A011 B刹那・制服(表示)〈明日香と並べて右側に表示〉 【B刹那】「やっとオレと外の世界に旅立つ決意をしてくれたのだね」 【明日香】「どういう思考回路してるの……ったく」 【刹那】「そうはさせないよ」 床を蹴り上げ、刹那が飛んだ。幅跳び世界記録にも勝るとも劣らない、つーか助走なしで普通の人間はあんな飛べねぇ! つーか、体育の授業を毎回見学してる刹那があんな芸当をするとは驚きだ。 ■■■G500 イベントCG(上段の回し蹴りを放つ刹那。それを肘下で受けるB刹那) ●●●SE011 風を切る音(ビュン!回し蹴りや剣で風を切る) 刹那が上段の回し蹴りを放った! ●●●SE012 叩く1(バシッ!叩いたのを受ける音) が、しかし、それはあっさりとB刹那に受け止められてしまった。 すかさずB刹那の右フックだ! ●●●SE013 叩く2(強く殴る) ●●●SE010 移動1(サッ!人が瞬間的に場所移動) 相手の攻撃をかわした刹那は爽やか笑顔120パーセントを浮かべた。 【刹那】「困ったなァ、戦闘能力が互角だよ」 【B刹那】「確かにそのようだな」 【刹那】「でも、美しさはボクの方が上だけどね、あはは」 いや、俺の目には同一人物に見えるのだが……。 【沙羅】「なんだか、おもしろい展開になって来たわね。どっちが勝つか賭けしましょうか?」 そうじゃなくって、誰か止めろよ……俺は無力でか弱いから無理だけど。 【沙羅】「みんな学生だから、一口1000円にしようかしら?」 【渉】「沙羅先生、校内で賭け事をするのはマズイと思うんですけど?」 【沙羅】「心配しなくても大丈夫よ。今はあたくしの授業中だから、治外法権が成立するわ」 【渉】「はぁ?」 治外法権って、つまりこの教室内での出来事はこの国の法律で裁けないってことかよ。 ■■■b000 教室(背景CG) ■■■A000 明日香・制服(表示) ■■■A011 B刹那・制服(表示) 【明日香】「は、離してよ!」 【B刹那】「さあ、オレと一緒に逃げよう!」 ああっ! いつの間にか桜井がB刹那の人質になってるし! 【明日香】「アタシどこにも行きたくない。だから、離してよ」 【B刹那】「よし、行こう」 桜井の話ちゃんと聞けよ! 小柄な桜井の身体はひょいと持ち上げられて、お姫様だっこ状態でB刹那の胸に抱かれた。 【刹那】「マイハニーを降ろすんだ」 【B刹那】「じゃあな、さばらだ!」 助走を付けたB刹那は桜井を抱きかかえたまま開いていた窓の外に飛んだ。 ■■■A000 明日香・制服(消去) ■■■A011 B刹那・制服(消去) 飛んだ? 飛んだ!? ここ4階だぞ!! 【彰人】「見事に着地して、フェンスを越えて校外に出てったな」 身を乗り出して窓の下を眺めていた彰人がこちらを向いた。 ■■■A040 彰人・制服(表示) 【彰人】「先生、どうするんですか?」 ■■■A030 沙羅・白衣(表示)〈彰人と並べて表示〉 【沙羅】「さ〜て、授業再開するわよぉん♪」 ▲▲▲BGM000(スタート) 再開かよ! 【渉】「ちょっと待ってくださいよ。桜井がさらわれたんスよ?」 【沙羅】「そうね、犠牲の元に危機は去ったわ。はい、授業はじめるわよ!」 【彰人】「警察に連絡したほうがいいんじゃないんですか?」 【沙羅】「仕方ないわね。刹那、あいつを追跡して桜井を保護なさい。命令よ!」 【刹那】「イエス・マスター」 ●●●SE014 走る1(タタタタッ!走る) 駆け足で刹那は教室を出て行った。 ■■■A040 彰人・制服(消去) ■■■A020 雪乃・制服(表示)〈沙羅と並べて表示〉 【雪乃】「先生、私も明日香を探しに行っていいでしょうか?」 【沙羅】「いいわ、行ってらっしゃい」 【雪乃】「ありがとうございます」 ■■■A020 雪乃・制服(消去) ●●●SE014 走る1(タタタタッ!走る) 沙羅先生にお礼を言った雪乃は、静かに微笑んでから教室を駆け出して言った。 俺も行きたい。 つーか、行かなければ! 【彰人】「渉、おまえも行くんだろ?」 【渉】「おぅ、当ったり前よ!」 【彰人】「先生、俺も探しに行ってきます」 【渉】「俺も俺も、俺も行ってきます!」 【沙羅】「はいはい、行ってきなさい。あとで一度、学校に帰って来ないと科学は赤点するわよ」 【渉】「行くぜ、彰人」 【彰人】「ああ」 ●●●SE014 走る1(タタタタッ!走る) ■■■b001 学校・廊下(背景CG) 俺たちは廊下を走って、急いで校門に向かった。 ●●●SE014 走る1(タタタタッ!走る) ▲▲▲BGM002(スタート) ■■■G501 イベントCGその他(B刹那に抱きかかえられながら、町を疾走するB刹那) 校内から脱出したB刹那は明日香を抱きかかえたまま町を疾走していた。 【明日香】「どこまで行く気なの?」 【B刹那】「キミが望むならば、どこまでも行こう」 【明日香】「……行かなくていいから」 明日香は溜息を吐いてから、上目遣いでB刹那を睨み付けた。 【明日香】「あのさぁ、あなた上條先生を殺しに来たんじゃなかった?」 【B刹那】「え?」 【明日香】「だからぁ、上條先生を殺りに来たんでしょ?」 ●●●SE007 ガ〜ン!(ガ〜ン!ショック。) 「B刹那」「…………!!」 【明日香】「目的忘れるなんて、ばっかみたい」 ●●●SE007 ガ〜ン!(ガ〜ン!ショック。) 【B刹那】「……あはは、気にしない気にしない。俺は愛のために任務を捨てたのさ」 ロマンチックと馬鹿らしいは紙一重。それは受け取る側による。 【明日香】「ばかみたい」 明日香にはロマンの欠片もなかった。 【明日香】「ねえ、そろそろ降ろしてくれない? 抱っこされてるの恥ずかしいんだけど?」 【B刹那】「ふむ、すぐに降ろそう」 ■■■b003 住宅街(背景CG) ●●●SE010 着地(スタッ!人が着地する音) ■■■A000 明日香・制服 【明日香】「ふぅ……」 地面に立った明日香はB刹那を置いて勝手に歩きはじめた。 【B刹那】「ちょっと待ってくれ」 【明日香】「なに?」 振り返った明日香はB刹那を上目遣いで睨みつける。 【明日香】「なにか用?」 【B刹那】「どこに行くんだい?」 【明日香】「別に、学校フケたんだし、どこか遊びに」 【B刹那】「俺も行く」 【明日香】「君は上條先生を殺しに行くんでしょ?」 【B刹那】「それは……」 【明日香】「ねえ、どうして上條先生の命を狙ってるの?」 【B刹那】「マスターの命令だからだ」 【明日香】「マスター?」 【B刹那】「俺の親のような存在だ」 【明日香】「ふ〜ん」 B刹那との会話に興味を失った明日香は、再びB刹那を置いて歩きはじめた。 【B刹那】「おい、ちょっと待ってくれ」 【明日香】「ヤダ」 いつの間にか、人質のはずだった明日香の立場が変わったようだ。 【明日香】「ねえ、お金持ってる?」 【B刹那】「ああ、マスターから必要経費を頂いてる」 【明日香】「じゃあ、それ使ってどっかで遊ぼ」 悪戯な小悪魔チックな笑みを向けられたB刹那の脳内回路はショートした。 【B刹那】「キミが望むならば、どこまでも行こう」 【明日香】「じゃあ、あっち行こ」 ▲▲▲BGM002(スタート) ■■■b002 学校・校門(背景CG) 校門まで走ってきたが、すでに刹那と雪乃の姿もなかった。 つーか、探すって言っても、どこ行けばいんだよ。 逃げる場所は無限大、探す場所は無限大だ。 あはは、地球の表面積ってどのくらいあるんだ? この国……この町だけでも結構あるよな。 ■■■A040 彰人・制服(表示) 【彰人】「どうする?」 【渉】「二手に分かれるか?」 【彰人】「そうだな。たぶん桜井を抱えたニセモノ刹那は目立つから、目撃者さえ見つかればどうにかなると思うぞ」 【渉】「おぅ、まずは目撃者探しからだな」 よし、まずはどこを探そう。 1.住宅街――※002へ 2.アーケード街――※003へ 3.駅前――※004へ |
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