第5章 大下水道
 暗い大きな長方形の筒の中を落ちていく――。
 一〇メートル、二〇メートルと身体が地球の引力に引かれるなか、夏凛はスカートが舞い上がらぬよう押えながらこの危機的状況について考えた。
 このまま地面に落下すれば、まず普通の人間では助からない。潰れたトマトより悲惨な状況になることは明白だ。だが夏凛の考えていることはそれではない。
 夏凛の足が地面にふわりと羽根が落ちるように音もなく触れた。そして、彼は暗闇に包まれる上を見た。
「う~ん、登るのどうしよ」
 夏凛が考えていたのは着地の心配ではなく、脱出の方法だった。
 地面に何事もなく着地した夏凛。彼は何か不思議な魔法でも使ったのか? それとも彼の美しさは重力すら無効にしてしまうのか?
 上へ登るのは無理そうだ。それ以前に辺りは暗闇に包まれ何も見えなかった。だが突然ライトが点けられ辺りを強く照らした。
 一瞬目を細めた夏凛であったが直ぐに目を大きく見開き、自分の居る場所の現状を見た。
「あらら~」
 床には紅くこびり付いた染みが各所に見て取れる。そのまま目線を前方の壁の隅まで持っていくとそこには動物の骨が山済みにしてある。恐らくあれは人間の骨だろう。
 スカートをふわりと巻き上げながら夏凛はバレリーナのように一回転し辺りをぐるっと見回した。
 部屋の大きさは落ちて来た穴より断然広く、壁は頑丈そうな金属でできている。そして夏凛の目を一番引いた物は大きな鉄格子の扉だった。

「こっちが中か、あの向こうが中か?」
 鉄の扉がぎしぎしと音を立てながらゆっくりと開き、しばらく経って中から巨大なキメラ生物三匹が奇怪な鳴き声と共に現われた。
「やっぱりあっちの為の鉄格子かぁ」
 鉄格子の中から出てきたキメラの通称は『アーマー』、突然変異による自然発生型の妖物と言われている。その体長は約五~六m、全身が硬い甲殻に包まれていて、くすんだ白い色をしている。そう例えるならば白い色をした巨大ダンゴムシのような生物だ。
「ムシこわ~い」
 寒気を発した夏凛の全身に鳥肌が立った。
 アーマーの身体に埋め込まれている五つの赤い眼が計十五個、狙いを定めた。もちろん獲物は夏凛だ。
 三匹の蟲が身体に似合わぬ俊敏な動きで夏凛に襲いかかる。それを見た夏凛の顔は蒼ざめた。夏凛は大の虫嫌いだった。
 必死で逃げる夏凛を蟲たちが『キシャーッ』という空気を吐き出す音を立てながら何本もの足をばたつかせ追いかけてくる。しかも三匹の蟲たちは確実に連携して動いている。アーマーは犬程度の頭脳を持つ蟲と言われていた。
 そして、ついに夏凛は部屋の隅へと追いやられてしまった。その瞳には大粒の涙が浮かぶ。
「ムシヤダ、ヤダ、ヤダ~っ!!」
 悲痛な叫びだ。
 どこからともなく取り出した大鎌を持つ手が震える。できればこの鎌でムシを斬りたくない。直接触れるなどもっと嫌だ。どうにかしてこの危機的状況を脱出できないものか?
 三匹の蟲と夏凛の一方的な睨み合いが続く、どちらも全く動く気配はない。蟲は獲物を捕らえる準備をしているのだ。
 冷たい汗が白い頬を滑り落ち地面で四方に弾けた。夏凛が一滴の汗を流した。これは驚くべきことである。
 夏凛はどんなに暑くとも汗を流すことがなく、一部の間では『恐怖の汗かかない娘?』と呼ばれているそんな夏凛が汗をかいたのである。これは大事だ。この汗を回収すればきっとマニアの間で高値で売れるに違いない。
 三匹の蟲が一斉に飛び上がり襲い掛かって来た。下部に付いた鋭い牙の生えた口が蠢いてるのがよく見える。
 意を決した夏凛は鎌の枝を握り直し、飛翔し一匹の蟲の腹に当たる部分を切り裂いた。切り裂かれた腹から勢いよく緑色の粘液が飛び出し夏凛の顔を汚した。
 アーマーの甲殻はダイアモンド並みの強度を誇るが腹部に当たる部分はぶよぶよしていて柔らかい。そこを攻撃してやればいとも簡単に仕留めることができる。
 アーマー一匹を見事仕留めた夏凛であったが、その表情は魂が抜けたように虚ろで、鎌が手から滑り落ちた。そして、床にへたり込み目を閉じた。
 蟲たちが一斉に粘糸を吐き出した。
 糸は宙を広がりながら夏凛に襲い掛かる。粘糸は彼の腕を捕らえた。足を捕らえた。そして、身体全体を捕らえた。
 身体にベトベトと巻き付いた粘糸を取ろうと夏凛は悶えるが、動けば動くほど糸は身体に纏わり付き夏凛の自由を奪う。
 糸の切れた操り人形に残り二匹の蟲が襲いかかる。
 糸のキレた操り人形の口の端が少し釣り上がった。
「ああん、テメーらふざけんなよ、俺様を誰だと思ってんだオラッ!!」
粘糸を強引に断ち切り床に転がる大鎌を瞬時に拾い上げ大きく振り回した。
 爆裂風が巻き起こり、真空を作り出し事により二匹の蟲は大鎌に吸い込まれるように切り裂かれ、緑色の粘液が夏凛の全身を汚した。
 鎌を持ち立ち尽くす夏凛の周りで死に絶えた蟲は以前の原型を保っていなかった。そこにあるのはもはや細切れにされた肉塊だった。
 ふと、夏凛は我に返り慌てて大鎌を投げ捨てるように手放した。
「あっ……、あ、あなたたちぃ~、私を怒らせると痛い目見るで御座いますよぉ~……てへっ」
 先ほどの夏凛はまるで別人のようであったが、今の夏凛のしゃべり方も変だ。ずいぶんと動揺しているように伺える。
 夏凛はポケットからハンカチを取り出し顔をごしごし拭きポイっと投げ捨てると、後退るようにその場を離れた。
 辺りを見回す夏凛。出口はない。先ほど蟲が這い出てきた鉄格子もすでに閉じられている。
 途方に暮れる夏凛であったが、その時突然大きな音と共に金属の壁が一部ベコッと内側にへこんだ。
 何事かと壁を見ていると、大きな爆発音が鳴り響き壁に大きな穴を空けた。そして、煙の中から黒いロングコートを着た一人の男が現われた。
「兄さま~っ!」
「げほっ、げほっ……」
 煙の中から現われたのは夏凛の兄である時雨であった。
 両手を大きく広げ時雨に駆け寄り抱き付こうとした夏凛であったが、すんなりと交わされた。
「兄さま、私のことが嫌いになったのぉ?」
「――汚い」
 この言葉を言われた夏凛は大きなショックを受けた。確かに夏凛の洋服はねばねばした粘糸と緑色をした粘液で汚されている。
 涙ぐむ夏凛。そして捨て台詞を叫んで走り出してしまった。
「兄さまのばかぁ……ぐすん」
 やっぱりその走り去る姿は失恋をして走って行く女の子のそれによく似ていた。
「はぁ……」
 残された時雨は肩を落とし深いため息を付いた。

 時雨の空けた穴を抜けるとそこは大下水道に通じていた。
「くっさ~い」
 夏凛は思わず鼻を摘んだ。
 下水道の中は埋め込み式のランプが取り付けてあるが、薄暗く遠くまでは見ることはできない。
 帝都の下水道は危険極まりない場所だ。突然変異で体長一メートル~二メートルまで大きくなった巨大ネズミなどはまだ可愛いもので、下水に棲む大海蛇リヴァイアサンのその全長は六〇メートルから大きいものでは一〇〇メートルにも達し、時には帝都に局地的な地震を起こすことで有名だ。
 ややあって時雨が追いかけて来た。
「先行かないでよ」
「……だってぇ」
 まだ夏凛は涙ぐんでいた。
「せっかく助けに来てあげたんだから」
「助けに来てあげたんじゃなくて仕事で来たんでしょ?」
 華奢で小柄な身体をした夏凛は、涙ぐんだ瞳で上目使いをして時雨を見上げた。その表情は激マブだった。
 その時突然水しぶきが上がり、下水が大きく波打った。そして、巨大な海蛇の頭部が水の中から奇声を上げながら飛び出した。
 下水とは不釣合いに美しい、きらきらと光り輝き、透き通るような身体と鱗が二人の目に入る。
 長いニ本髭がまるでそれ自体が生きているように動いている。そうこれが帝都の下水に棲むキメラの中で最も出会いたくない大海蛇リヴァイアサンだ。
 二人は顔をしかめた。できればこんなものとは戦いたくない、それが二人の本音だった。しかし、運命を皮肉なものである。
 リヴァイアサンの尻尾の先が遠くで水面を叩き、水しぶきを上げたかと思うと、突然夏凛に狙いを定めて襲ってきた。夏凛についているアーマーの粘液の匂いに反応したのだ。
 リヴァイアサンの頭は夏凛のドレスをかすったが、どうにか一撃目は避けることができた。しかし、リヴァイアサンの頭は蛇のようにくねりすぐさま二度目の攻撃を仕掛けて来る。
 夏凛は何も握っていない腕を力強く振り下ろした。――その表情が曇る。
「鎌のストックが切れたぁ~!?」
 夏凛は異空間に愛用の武器である大鎌を保管して置いて、いつでも取り出せるようにしている。その大鎌のストックが全て切れてしまったのだ。
 大きな口を開けたリヴァイアサンの頭部が夏凛を喰らおうとしたその時、下水道がまばゆい光で包まれた。
 その光でリヴァイアサンの動きが一瞬怯んだところを時雨は愛用の光り輝くライトサーベルのような妖刀村雨で、その胴体を輪切りにした。
 リヴァイアサンの身体の一部が大きな音を立てて地面に落ちた。その切り離された身体は未だに蛇のような動きを見せている。
 切られた頭部は時雨へとその身体の方向を向け、飛び跳ねるように襲い掛かって来た。
 一瞬の出来事に避ける暇もなく、大きな口に生えている鋭い牙が時雨の身体を捕らえて離さない。
「兄さま!!」
 夏凛の叫び声も虚しく、驚異的な生命力を誇るリヴァイアサンの頭部は、時雨の身体を捕らえたまま下水の中へと引きずり込んでしまった。
 そして、そのまま下水の流れに乗り遠くへと流れて行き、ついには夏凛の視界からその姿を消した。
「兄さま~っ!!」
 手を伸ばすが、そこにはもう時雨の姿はない。
「兄さま、兄さま……のことだから心配しなくても平気だよねっ!」
 伸ばした手はいつの間にか振られ、バイバイのポーズをしていた。
「さ~てとっと、早く家帰ってシャワー浴びたいなぁ」
 夏凛は本当に時雨のことを溺愛しているのだろうか? 時雨のことをよく知るからこそ取れる態度なのか……?
 武器を失った夏凛だが、あの場所に置いてきた大鎌を取りに行こうという考えは全くない。蟲を切ってしまった鎌などもう触りたくもないのだ。
 武器が無くとも夏凛は十分戦えるだけの戦闘能力を兼ね備えている。その華奢な身体からは考えられないほどの瞬発力・敏捷性・筋力を持っている彼は本来肉弾戦を得意としていた。鎌で戦うのは彼の単なる趣味だった。
 薄暗い下水道の中を水の流れとは逆の方向に走る。ここは海が近いので水の流れに沿って進めば直ぐに海に出て地上に出られるかもしれないが夏凛はより自宅に近づく道を取ったのだ。
 それに地上に出ることを夏凛のプライドが拒んだ。こんな汚れた身体ではタクシーも乗せてもらえないし、それ以前に人に見られることが恥ずかしい。こんな姿を人に見られたら週刊誌のネタにされて帝都市民の多くに自分の失態を広められてしまう。
 このまま自宅近くのマンホールまで走って行こうと夏凛は心に強く誓った。しかし、自宅までの距離は六〇キロメートル以上あるだろう。夏凛が下水道を出れるのいつのことだろうか?
 走りながら夏凛は闇の中から自分が鋭い眼つきで何かに見られていることに気が付いた。というより、夏凛はそんな生物たちをなぎ払うが如く蹴飛ばしながら疾走を続けていた。
 夏凛の足が不意に止まった。多くの生物がいる気配を前方から感じ取ったのだ。
 ランプが備え付けられているとはいえ、下水道の中は薄暗い。そして、ここに漂う雰囲気がより一層暗さを深めていた。
 闇の中に長い時間いたことによって、夏凛の目は暗闇に慣れ遠くまで見通せるようになっていた。
 前方にいるのは巨大ネズミの大群だ。その数ざっと二〇匹以上。
 ネズミたちは大型動物の屍骸に群がり貪り喰っている。
 道は完全にネズミたちによって塞がれている。
 追い払うには数が多い、蹴り飛ばして倒すにしても数が多い。勇猛な戦士だとしても、やはり一対複数には苦戦を強いられることは必定。
「わぁーっ!!」
 夏凛は大声を出して巨大ネズミたちを追い払おうとしたが、普通サイズのネズミであったならば逃げ出したに違いない、しかし、巨大ネズミは身体も大きければ肝も大きいようだ。
 ネズミどもは夏凛のことを一瞬睨んだような眼つきで一瞥すると、すぐに食事を再開した。
 腕組みをして考え込んでしまった夏凛に対して、食事を終えたネズミたちは次の獲物をギロリと一斉にして見定めた。
「私?」
思わずそんな言葉を発してしまった。夏凛にも自分がこれから巨大ネズミどもに襲われることがわかったのだ。
 まるで地面が波打つようにしてネズミ色のモノ近づいてくる。
「マジで!?」
 予想していた結果とはいえ、一瞬身体を凍りつかせてしまって逃げるのに少し出遅れた。
 走り出した夏凛の後ろを巨大ネズミの大群が差し迫っていた。
 可愛くとも何ともない巨大ネズミの鋭い前歯が、夏凛の足に噛み付こうとした刹那。ネズミたちの動きが急に止まり、夏凛も身動きを止めた。
 下水の流れる音以外の音が一切止んだ。
 夏凛は目だけを動かし辺りの気配を探り、ゴクンと唾を呑み込んだ。
 波打つ下水。そして、波間から覗く煌く鱗。
 水しぶきを上げながら巨大な頭を出し、再び夏凛の目の前に現れたのは帝都大下水道に棲む大海蛇リヴァイアサンだ。
 生息数の少ないリヴァイアサンに一日のうちに二度も出遭うなど何たる不幸なことか……。
 身動きすること、逃げることを放棄してしまった巨大ネズミたちに巨大な口が喰らい付き、呆気なく丸呑みにされた。
 呑み込まれていくネズミたちをただ呆然と眺めてしまっていた夏凛は、ふと我に返り逃げ出した。リヴァイアサンがネズミたちを喰らっている今ならまだ逃げ切れる。
 だが、しかし、夏凛の考えが読まれていたかの如く、ネズミを喰らっていた筈のリヴァイアサンが状態をくねらせて、大きな身体で夏凛の行く手を塞いでしまった。
 走るポーズをしながら夏凛は身動きを止めてしまった。そこへリヴァイアサンがその頭を槍のようにして襲い掛かってきた。
「あ、あのね、私の身体ムダなお肉ないからおいしくないと思うんだよね……」
夏凛の懇願虚しく、獲物をその大きな口で喰らい付こうとするべく襲いかかったのだが、巨大な口はガシッという歯の噛み合わさる音を立てて空を噛み千切り首を大きく横に振った。
「わおっ!」
 両手で地面を付き、倒れるようにして夏凛はリヴァイアサンの攻撃を紙一重で避けることができた。
 蒼い顔をする夏凛。汚い地面に手を付いたことが相当ショックだったらしい。
 地面に手を付けたまま辺りを見回すと入口の小さな横穴が目に入った。
 すぐさま地面を蹴り上げ穴の中へ飛び込もうとした夏凛の後ろからは、リヴァイアサンが鋭い剣の並んだような歯で喰らい付こうとしている。
 穴の中に飛び込んだ夏凛の後ろでリヴァイアサンが、激突した頭で少しコンクリートを砕き頭の先を穴の中に押し込んできた。
 尻餅を付いたような格好になってしまっている夏凛の足に、リヴァイアサンの長く伸びだ髭が触れ、歯を何度もガシガシと鳴らしている。その口からは涎が垂れ流れ、臭い息が夏凛に吹き付けられている。
 獲物を目の前にしてリヴァイアサンは、これ以上進むことができないらしい。
 ほっと胸を撫で下ろした夏凛は、穴の中を進むことにした。
 穴の中は何一つ全く見えない闇だった。しかも、穴の縦幅が狭い為に夏凛は止むを得ず四つん這いになって穴の奥へと進んでいた。
 手や膝は汚れるし、暗闇なのでわからないが服もきっと汚れているに違いない。ただ、幸いなことに、まだ、変なものを手や膝で踏んづけてはいない。
 地面であるコンクリートは小さな砂でザラザラする感触がするもののそれ以外は比較的綺麗だった。
 恐怖心を感じながらも手探りをして、勇敢に前へと進む夏凛の手にぶよぶよとした感触のものが触れた。脂肪の塊のような物体が前に存在する。
「きゃあ~っ!!」
 小さな穴に大きな夏凛の叫びがこだまする。
 夏凛は元来た道を全速力で逆送した。世界のどこかにハイハイのスピードを争う競技があったとすれば、今の夏凛は世界一の栄冠に輝くことは間違えないだろう。
 闇の奥に見える光――出口だ。
 幸いなことにリヴァイアサンの姿はなかった。
 穴の外に出た夏凛はマラソン選手がゴールした時のように両手を挙げ、心から喜んだ。
 最初に穴に飛び込んだ時は危機的状況にあった為に、その穴が何であるか考える余地もなかったが、今ならわかる。
 帝都の下水道全体に生息範囲を持つ巨大回虫コブダラケ。その回虫は細く伸びた身体に無数のこぶを持ち、口から吐く溶解液で下水道の壁に穴を空け、そこに巣を作る習性を持つ。夏凛の飛び込んだ穴は、そのコブダラケの巣だったのである。
 グロテスクなコブダラケを想像して、それに触ったかと思うと、もう死んでしまいたいくらいだと思う程だ。
 大きく首を横に振って、コブダラケのイメージ映像を頭から振り払った夏凛は気を取り直して、再び下水道の中を走り出した。
 こんなところで死ぬなんて自分のプライドが許さない。自分の美しい屍をネズミに喰われるなんて以ての外。
 夏凛は気合全開だ。

 つづく


エデン総合掲示板【別窓】
■ サイトトップ > ノベル > トラブルシューター夏凛(♂) > 第5章 大下水道 ▲ページトップ