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第16話_Graduation(中編) |
胸騒ぎがした。 不安なことがあると、なんでも自分に結びつけて、悪いように考えてしまう。 救急車が学校内に入ってくることなんて、あまりあることじゃない。校内は少し騒ぎになっている。自分とは関係ないと思いつつも、和清もほかの生徒のように気になってしまった。 自分の教室に戻ると、生徒たちが窓から身を乗り出していた。 「どうしたの?」 と、和清がだれに聞くでもなく尋ねると、何人かの生徒が口々に返してきた。 「女子が担架で運ばれてくのチラッと見たけど」 「付き添ってたの3年の担任だっけ?」 「じゃあ運ばれたの3年生?」 「俺あのセンパイ知ってるよ。ちょーカワイイよな。たしか演劇部だっけ、学祭でコスプレして歩いてたの見たけど」 それを聞いて和清は人混みを掻き分けて窓から身を乗り出した。 「それって本当!?」 再び鳴りはじめた救急車の音が遠ざかっていく。 たしかな証拠はない。 けど、和清はいてもたってもいられず教室を飛び出した。 「おい、どこ行くんだ!」 廊下ですれ違った担任に怒鳴られたが、もう走り出したら止められなかった。 まるで逃げるような優輝の行動。救急車に乗っているのが優輝だったとしたら、今度は本当に手の届かないところに行ってしまいそうで……。 「センパイ!」 鼻水を啜りながら和清は救急車を追った。 サイレンの音を頼りにしていたが、あっという間に遠ざかりどこに行ったのかわからなくなってしまった。 息を切らせながら立ち止まったことで、急に寒気がするような冷静さが襲ってきた。 こんなマネをしたらクラスで騒ぎになるだろうし、担任にもあとで叱られるだろう。優輝との関係だってからかわれるネタにされるだろう。 おまえあのセンパイと付き合ってんの? そんな言葉がクラスメートに声でハッキリと再生される。 ふと和清は思う。 付き合ってるってどういうことなのか? そもそも自分と優輝の関係っていったい? 「僕は優輝センパイが好きだ」 それだけが自信を持っていえることだった。 勢いで学校を飛び出してしまったので、もう引くに引けない。もう進むしかない。 近くの病院に行けばなんとかなるかもしれない。そう思い歩き出そうとした和清は、ハッとしてケータイを取り出した。 優輝と連絡を取れば、もしかしたらただの取り越し苦労で済むかもしれない。 「わっ!?」 声をあげた和清。かけようとしていたところに、急にケータイが鳴ったのだ。 見知らぬ番号だった。表示されたナンバーは、たぶん固定電話からだ。 恐かったので放置しようとしたが、なかなか切れないのでしかたなく出ることにした。 「あの……どなたでしょうか?」 『君、ウチの子のカレでしょう?』 「えっ?」 『ウチの子がどこにいるか知らない?』 聞き覚えのある声で、とても優輝に似ている。だれかわかった。 「優輝センパイのお母さんですか?」 『そうそうだれかわからなかった? ごめんね。それでウチの子がどこにいるかカレシなら知ってるかしらと思って』 「どこの病院に運ばれたか知りたいの僕のほうなんですけど」 『それは知ってるのよ。そうじゃなくて、あの子ったら病院から逃げ出したんだって』 「ええーっ!」 優輝が病院に運ばれた事実が確定したことよりも、逃げ出したという言葉に驚いて頭が真っ白になりかけた。 電話の向こうでつぶやき声が聞こえてきた。 『緊急手術だっていうのに……』 「手術ってそんなに悪いんですか!?」 『ほかにも電話かけなきゃいけないから、優輝のこと見つけたら教えて頂戴ね』 「はい……いや、あの、優輝センパイの病気ってなんです……かって聞く前に切れた」 ツーツーツーツー。 なんの病気なのか? それともケガかもしれない。 「もしかして、海外に行くって話はウソなんじゃ?」 脳裏に浮かんだ想像を口にする。 「じつは重い病気を患っていて、それを隠すために海外に行くだなんて言ったんじゃ? だって卒業まで待たずに海外に移住するなんておかしいじゃないか、あとちょっとで卒業なのに。きっと急に病気が悪化したんだ」 肩を落としてうつむく和清。足を一歩踏み出す気力も削がれてしまった。 でもどうして逃げ出したのか? 危険な手術だから、自暴自棄になって逃げ出した? 手術の前にどうしても会いたいひとがいる? 「まさか僕に!」 叫んだタイミングで再びケータイが鳴った。 「ゆ、優輝センパイからだ!」 急いで通話に出た。 「もしもし僕です、センパイどこにいるんですか!」 『うるさい……死ね……はぁはぁ……』 「苦しそうですけど大丈夫ですか? どうして病院から逃げ出したんですか!? 心配で心配で僕……」 『おまえは……しゃべるな。とにかく……××病院の近くにイオンあるでしょ……はぁはぁ……そこのマックに来て』 「早く病院に戻ってよお願いだから!」 『いいから来い……早くしないとわたし死ぬよ?』 すでに地獄から通話してるんじゃないかってくらい、ゾッとする声音だった。 「行きます、すぐ行きます、死んでも行きますから待っててください!」 ツーツーツー。途中で通話は切れていた。 すぐに掛け直そうとするが、もう優輝が出ることはなかった。 「待っててくださいセンパイ、命に代えてもすぐ行きますから!」 ダッシュで走り出す和清。 でも根っからのもやしっ子は数メートルもしないうちに力尽きたのだった。 どうにかマックに辿り着いた和清は店内を見渡す。 ぐったりと椅子にもたれている小柄な美少女の影があった。 「優輝センパイ!」 「遅い……死ね」 「ちょうどタクシー拾えて、ワンメーターで行けると思ったんだけど、ちょうどそこの大通りで上がっちゃって」 「うるさい……これでも飲んで口閉じろ」 まだストローも刺されていないSサイズの飲み物が差し出された。 「あ、ありがとうございます」 受け取ったオレンジジュースを飲みはじめると、立ち上がった優輝に腕を引かれた。 「来い」 「はい」 逆らえない。 あきらかに優輝の顔色は悪く、唇は紫に変色して、和清は自分に触れる優輝の手が微かに震えていることに気付いた。 こんなことしてないで、一刻も早く病院に連れ帰るべきなのに、恐くて逆らえない。なんらかの痛みに耐えているせいなのか、切羽詰まった優輝の声は凍りつくほど冷ややかで、眼も完全に殺人犯だ。 飲みかけのジュースを持ったまま、和清は男子トイレに連れ込まれた。 ちょうどトイレから出てきたジジイと鉢合わせして、相手はギョッとして足早に立ち去っていた。優輝はこういう体面を気にするほうだが、今はそんなことを構っている余裕もなさそうだった。 個室に連れ込まれるパターンはいつもどおり。 「脱げ」 そんな命令をしてくるのもいつもどおりの優輝だ。 「えっ……こんな状況で?」 ただこんな状況ですることじゃないと和清は思った。 もたもたする和清の前に優輝はしゃがみ込み、ズボンとトランクスを一気に下げた。 硬くなった肉棒が跳ね上がる。 状況が状況なのに、いつものクセであそこはビンビンだった。 「センパイがしたいなら、どんな状況だって僕はしますけど……」 生存本能。死ぬ前に子孫を残そうとする生存本能が優輝を突き動かしているのか? だったらそれに答えなくては! 和清は肉棒に力を込めて、ビクビクと亀頭を上下させた。 冷ややかな眼差し。 「勘違いするな……ちんこへし折るぞ?」 肉棒がゴリラ並の握力で握られた。 「オゥッ、ううううううっ、セ……ンパイ……離して……」 「わたしが死にそうなのに……ナニ考えてんの死ねば……てゆかその前に早く服脱げ」 なんだか全体的に和清の勘違いだったらしい。 言われたとおりに和清が服を脱ぎ出すと、その横で優輝も服を脱ぎはじめた。 白いうなじ。 撫で肩にかかる柔らかな髪。 ブラウスを脱ぐときに浮き出た肩胛骨。背中のブラヒモが少し浮いた。白いブラジャーだった。 ふと顔だけで優輝は振り向く。 「見るな」 「すみません」 和清は身体を背けて自分も服を脱ぐ。けれど、どうしても目は優輝の肌に惹き寄せられてしまう。 小ぶりなヒップを包むショーツも白だ。布が少し余って、お尻の割れ目でクシュクシュとなっている。 はらりとブラジャーが外された。 背中に残るブラジャーの痕を和清は目に焼き付けた。 息を呑む音が静かなトイレに響いた。和清は自分の息が荒くなっているのを自覚していた。 本当はもっと近くで見たい。匂いを嗅げるくらい近くに寄りたい。後ろから抱きしめて、あの小さなお尻に股間を押しつけた。 優輝の手がショーツにかかった。 スルスルと太腿を抜けていく。 股の向こうに、垂れ下がっているなにかの影が見えた。 立ったままショーツから片足を抜こうとしている優輝のお尻に目が釘付けになる。片足を上げたときに、股が開かれ、お尻の割れ目も広がった。 見えた! 薄いピンク色をしたシワの寄った秘密の場所。 憧れのセンパイのあの場所を何度となく夢に見てきたことか。 和清は自らの膨れ上がった欲望を抑えきれず、肉棒を強く握り締めた。 尿道から漏れ出してくるネバネバの汁。 いつも優輝は服を着ていた。 えっちのときも全裸になることはなかった。 ショーツを脱ぐときだって、いつもスカートははいたままだ。 その優輝がすぐ手の届く場所で、生まれたままの姿を晒している。 その全身を目に焼き付けたい。 優輝の肌は汗ばんでいる。よく耳を澄ませば、少し荒い呼吸音が聞こえた。尾てい骨を流れる汗が、お尻の割れ目に吸いこまれていった。 もう堪らなかった。 「センパイ……ぐふっ!」 身体ごと振り返った和清の顔面にグーパーンチが飛んできた。 「トランクスちょうだい」 殴ったグーがパーに開かれた。殴られたのか、偶然当たったのかはわからない。ただ優輝は言葉を発するのも辛そうにしていた。 和清は鼻を押さえながら、ついでに股間も抑え、脱ぎたてのトランクスを手渡した。そのまま次々と、言われるままに自分の服を渡していき、優輝はそれを着ていった。 イケメン。 着替え終わった優輝は持っていたゴムで髪の毛を結わき、前髪をちょっとだけ垂らした。元々小柄な和清だが、優輝がその制服を着ると少しダボっとする。それでも似合いすぎている。 どう見てもただの美少年だ。 まるで生まれたときから、ずっとこのときまで美少年だったかのような、その美しすぎる優輝の姿。 もう和清など眼中にないように優輝は個室のドアを開けた。 ちびっ子と目が合う。 「ママぁ~!」 いきなり声を上げられ、ちびっ子が逃げ出した。 個室から出てきた男装の優輝と、中に残っている全裸の少年。ちびっ子には理解できない世界だろうが、きっと見ちゃイケナイ世界だとは察したのだろう。 優輝はケータイで番号をプッシュしながら、思い出したように和清と自分が脱いだ制服を交互に見た。 「それ着ていいから……バイバイ」 「……え」 唖然とする和清を置いて優輝が姿を消す。 微かに声が聞こえてくる。 「救急お願いします。場所は××病院のすぐ近くの……」 残された和清がドアを開けっ放しで、しかも全裸のままで立ち尽くしていると、警備員が駆け込んできた。さっきのちびっ子のママが呼んだに違いない。 「なにやってんだおまえ!」 ナニはちょっぴり勃起したままだった。 「あっ……その……これは違うんです、べつに変なことをしてたわけじゃなくて」 どう見てもただの変態だった。 「いいからそこの服を着ろ……いや、着るな。なんで女子の制服なんだ、この変態め! その制服を着て女子トイレで盗撮でもするつもりだったのか! とにかく事務所で話を聞くからそれ着て来い!」 「今着るなって」 「うるさい、さっさと着るんだ変態!」 間違いなく和清は変態だが、これは不本意な変態行為だった。 警備員の事務所に連行された和清。 買い物客たちに道中かなり奇異な目で見られ、事務所の椅子に座ったときに、人生終わったと確信した。 「なまえは?」 黙秘。 「住所は?」 黙秘。 答えたら確実に終わる。 わざと黙秘しなくても、ノドはカラカラで声が出せない。 警備員は50代くらいの中年オヤジ。ホームベースみたいな顔をしていて、ヒゲが濃い。顔が近づいてくると臭かった。 「その制服はたしか××学園のものだな。盗んだのか?」 男子が女子の制服を持っているわけがない。だからって盗んだなんて言いがかりだ。 「ち、ちちち、ちがいます!」 どもりながらやっと声が出せた。 「だが××の生徒なんだろ? 友だちに借りたのか?」 「…………」 また黙秘した。 「とりあえずケータイ出せ、親に連絡するから」 親に連絡なんてされたら家庭崩壊だ。迎えに来た母親が、女装した息子を見たらどう思うか。死ぬまで気まずい思いをして過ごさなくてはいけない。 ケータイなんて出すものかと和清は思ったのだが、そのケータイを持っていないことに気付いた。 「持ってません」 「持ってもないだと? 今時ケータイ持ってない学生なんかいるわけないだろ、ウソつくな!」 「ほ、本当なんです」 なぜならケータイは自分の制服のポケットに入れていたからだ。そうと気付かず優輝に持って行かれてしまった。 「立て!」 いきなり命令されて、ビクッとしながら反射的に和清は立ち上がった。 図体のデカイを警備員が目の前に立った。 「隠してるんじゃないだろうか?」 制服を叩くようにして身体を触ってくる。 脇腹を触られたときに、くすぐったくて身体を反らしてしまった。恥ずかしい。顔を少し赤らめて和清は俯いた。 警備員は執拗に身体を触ってくる。 「どこに隠してるんだ?」 「本当に持ってないんです……はぅ、そんなとこにあるわけ」 ごつごつした手がお尻を撫で回してきた。 恐怖で和清は身体を強ばらせた。 まるで痴漢をされているような気分だった。 これはただの身体検査だと和清は自分に言い聞かせた。 しかし、警備員は触ってくるのをやめない。もうケータイが本当にないことはわかっているはずだ。 嫌がらせのつもりだろうか? 嫌がらせで男子生徒の身体を触ってくる男がいるだろうか? 和清はゾッとした。 太腿を触る警備員の手がスカートの中に這入ってきたのだ。 臭い息が和清の頬の吹きかかる。 「ここにあるのはケータイじゃないのか?」 むぎゅ……むぎゅ…… 股間を揉まれている。中年オヤジに大事なところをイタズラされている。 「やめてください!」 女の子みたいな高い声で和清は叫んだ。 それを聞いた警備員はニヤリと気持ち悪く笑った。 恐怖で和清はヒザを震わせイスに落ちるように押しかけた。 「体調でも悪くしたなら、看病してやらないとな。ほら、服を脱ぎなさい」 「や、やっ!」 「脱がせるの手伝ってあげようか?」 指毛がモジャモジャな手が近づいてくる。 憧れのセンパイの制服を着て、男のひとにイタズラされている。 「おまえだってそっちの趣味があるんだろ?」 違う! 女装したくてしてるわけじゃない。 こんな中年オヤジに抱かれるなんて死んでもイヤだ。 目が潤んで、鼻水が垂れてきそうだった。それでも警備員は迫ってくる。 股の間に手を捻じ込んできて、ショーツの上からアナルをグリグリと刺激してくる。 「うっ……ううっ」 いつもヤラれているせいで、思わず快感を覚えて声が出てしまう。 「感じてるのか? 女装癖だけじゃなくて、本物だったのか、こりゃいい。今まで何人の男のちんこをこのケツで咥え込んできたんだ?」 「僕は……男のひととなんてこれまで一度も……ありません」 「ならオジサンが君の処女をもらってやるよ」 「い、いやーっ!」 イヤなのに身体が熱い。 女装をしているせいで、気分までどこか女の子になってしまう。 前の前にいるのはどう見ても男だ。男に抱かれるなんて気持ち悪い。頭ではそう理解しながらも、アナルをマッサージされて感じてしまっている。 ここに来る前に学校のトイレでアキに激しく犯された。まだアナルがジンジンと疼いている。心の準備はできていないけど、アナルは大きなモノを受け入れる準備ができている。 きつく締めつけられたショーツの下で、肉棒が硬くせり上がってくる。警備員の手が乱暴に摩ってくる。 「あぅ」 エラを触られたときに喘いでしまった。 上向いた首筋にナメクジのような舌が這ってきた。べっとりと粘っこい唾液で濡らされる。煙草と唾液の臭いが混ざっている。 びちゃびちゃ 耳障りな唾液の音が背筋に寒気を走らせる。 今すぐ逃げ出したかった。 でも女装した姿で、しかもあそこを大きくしながら、買い物客の前に出る勇気はなかった。 和清は人形のようにされるがまま凍りついていた。 おなかのほうからブラウスの中に手が這入ってきた。 「オジサンはこのちっこい乳首が好きなんだ」 乳輪も乳首も女の子に比べたら小さい。少年の乳首をコリコリと指先で弄りながら、警備員はズボンを脱ぎはじめていた。 恐怖で和清は目を開けることができなかった。けれど、イカ臭いそれを感じたとき、薄めで警備員の股間を確認した。 「うっ」 思わず和清は嗚咽を漏らした。 気持ち悪い。 毛むくじゃらで、赤黒くて、汚らしい。 悪意を目に見えるようにしたモノがそびえ勃っていた。 「ごめんなさい……許してください」 ついに瞳から涙がこぼれ落ちた。 頬を流れる涙を警備員の舌がベロッと舐め取った。 その瞬間、なにを言っても無駄だと痛感した。 スカートが捲られた。 和清はキュッと股を閉じて内股になったが、内腿に両手をかけられこじ開けられていていく。 「こんなに大きくして、はしたない悪い子だ」 「ひ……ううっ……」 「お仕置きしないとな」 ショーツに手がかけられた。 「やめてください!」 必死になってショーツを押さえたかが、強引に剥ぎ取ろうとしてくる。 ビリッとイヤな音がした。破けてはいないが、このまま抵抗すれば、この男は破いてでも剥ぎ取るだろう。和清の脳裏にこれが優輝のショーツだということが浮かんだ。 憧れのセンパイまで穢される気分がして、和清は自らショーツを脱ぎはじめた。 「服は汚さないでください……お願いですから……自分で全部脱ぎますから」 「全部脱いだらつまんないだろ。ほら、こっちにケツ向けろ」 バシンとお尻に平手打ちを食らって、和清はパイプイスに上半身を乗せて、スカートをまくり上げたお尻を突き上げた。 お尻に挿入られるのははじめてじゃない。 けど、ここで挿入られたら、なにもかも失って気がした。 「やっぱりいやです!」 「もう遅いんだよ」 男の亀頭が自分のお尻の割れ目に沿って触れているのがわかった。 いやだいやだいやだ! 「いっ!」 入り口に違和感を感じた。当たってる。このままじゃ挿入られてしまう。和清はめいいっぱいの力を肛門に込めた。 チャラリ~ン♪ 突然鳴り響いた電子音。 凍りついた警備員と和清。第三者の気配がした。 「変態発見♪」 超満面の笑みでケータイを構えて写メを撮った人影。 「脅しのネタになるかしら?」 和清の頭の回転速度は光速を越えた。完全にオーバーヒート状態で、その声と顔の持ち主がだれか理解するまで数秒を要した。 セクシーになった大人版の優輝。 警備員はあたふたしながらズボンをはいた。 「なにもしてませんよ! 誤解です誤解ですから美人のお姉さん、それだけは勘弁をォォッ!」 「美人だなんて、見たままのこと言われても困りますわ。この子はウチの婿養子なので連れて帰りますね」 唖然とする和清の腕がつかまれる。つかんだのが優輝の母親の望実だということは、かろうじて脳が処理できたが、状況が呑み込めない。 なぜか女装させられ、中年オヤジに犯されかけたところに、望実が救出にきてくれた。 夢でも見ているのか思ったが、どうやら現実らしい。 「カズキ君、パンツはかないとみっともないわよ」 「は、はい」 女装はみっともなくないのだろうか。 サラッとした態度で和清を連れて事務所から出て行こうとする望実に、警備員が鼻水を垂らしながら泣きついてきた。 「お願いですから、写メを削除してください!」 「あ、そうだ。よかったらウチのお店に来てくださいな」 と、望実はお店の名刺を手渡して事務所をあとにした。 もちろん写メはまだ削除するつもりはない。 つづく |
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