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第7話_Rain |
下駄箱で靴を履き替え、昇降口を出ると、和清は空を見上げた。 町を覆う灰色の影。 湿度が高く、滲む汗がワイシャツと肌を接着させる。 清和は第2ボタンまで開けた首元を掴んで、パタパタと扇いで中に風を通した。 蒸し暑くて不快な天気だ。 「降りそうだな」 和清は足早に帰路に就いた。 生温かい風が吹く。 ぴしゃ。 頬に雨粒が当たったような気がする。 近道の公園内を横切ろうとしたときだった、土砂降りの雨が和清と地面を激しく叩いた。 「うわっ」 慌てて辺りを見回し、公園のトイレを見つけた。 急いでトイレの建物に駆け込んだ。 入ってすぐのところに立ち、外の様子を眺めながら、濡れた腕や髪の毛をはたいて水飛沫を飛ばした。 「夕立っぽいから、すぐ止むかな?」 風も強い。雨雲を遠くに運んでくれるかもしれない。 地面を抉るような雨。 雨音で町の音が掻き消されてしまっている。 だから、ぼうっと立ち尽くしていた和清は目の前に来るまで気づかなかった。 かかとで濁った水を跳ね上げながら、ズブ濡れになった子が駆け足で目の前を通り過ぎようとしていた。 「アキちゃん!」 和清が声をかけると、アキは足を止めて、長い睫毛に溜まった雨を指先で擦りながら振り向いた。 「あっ、カズセンパイ!」 すぐにアキは小走りで和清が立っている男子トイレの入り口に近づいてきた。 まるで真夏に溶かされる氷のように、アキの肢体から滴る雨粒。 「ううぅ、パンツの中までグショグショですよぉ」 「全身びしょびしょだね。僕はちょっとで済んだけど」 「はくしゅん!」 頭を激しく振りながら飛ばした水飛沫が和清の顔にかかった。 「きゃっ、ごめんなさい!」 すぐさま謝ったアキに和清はイヤな顔一つしなかった。 「僕よりアキちゃん大丈夫?」 「なんだか……寒くなってきました」 「ええっ、それ風邪だよ!」 「カズ……センパイ」 熱っぽい潤んだ上目遣いでアキは和清は見つめた。 ドキッとする和清。胸が高鳴る。 「なに?」 「温めてください」 「え?」 「ほら、だれもいないしダイジョーブですよ!」 「……はい?」 「ほらほら」 「ええっ!?」 腕を掴まれ強引にトイレの中に引きずられる。 左側の壁沿いに並ぶ小便器と、右側に並んでいる個室が3つ。小便器からアンモニア臭が漂ってくる。 「まずいって、こんなところで!」 慌てる和清はこのあとの展開がすでに読めていた。 「だいじょぶですよ、ガッコーのトイレに比べたら難易度低いですから」 「どっちも同じだよ!」 「ならいつもヤッてるしだいじょぶですねっ!」 「いや、そういうことを言いたかったわけじゃ……あっ、ちょっと」 強引に個室へ引きずり込まれ、鍵を閉めたアキは無邪気に笑った。 「ガッコーは知ってるひとに見つかるかもってドキドキですけど、ここは知らないひとに見つかるかもってドキドキですね」 「まずいって……」 逃げるように和清は後退り、壁に背中を押しつけてのどを鳴らして唾を飲み込んだ。 瞳に映るアキの姿。 夏の白い制服が肌に張り付き、二の腕やおなか周りが透けている。おへそのくぼみもわかってしまう。そして、ブラのレース使いもくっきりと浮かび上がっていた。 白いブラだ。 肩紐や蝶が羽を広げるようなカップの形、欲張らないなだらかな膨らみまで透けて見えた。けれど、残念ながらその先までは見えない。何重ものパッドに阻まれているからだ。 「ここも濡れちゃいました」 スカートをめくりあげ、突起しているショーツを見せつけた。じゅわじゅわっと尖ったショーツの先から汁が溢れてくる。 ぽた……ぽた…… 濡れてぺったんこになったアキの髪から、水が滴り落ちている。 「カズセンパイだけあんまり濡れてないなんて不公平です」 不満そうに少し頬を膨らませながら、アキが和清に抱きついてきた。 ヒヤッとした。 濡れたアキの制服から和清の制服へ水が浸透してくる。 はじめはヒヤッとしたが、だんだんと生ぬるく、アキの体温が伝わってきた。 アキは少しひざを曲げて和清の胸板に顔を近づけた。 そして、濡れた舌でワイシャツをしゃぶった。 すぼめられた唇の先には、布地だけではなく、さらに先には小さな乳首があった。 「ん……」 小さく小さく和清は鼻から吐息を漏らした。 布が乳首に擦れる。 舌先で舐められ、唇で吸われる。 自然ときゅぅっと乳首が勃ってしまう。 アキが顔を離すと、濡れたワイシャツに乳首が透けていた。ピンと勃っているのも丸わかりだ。 無性に和清は恥ずかしくなった。 男の乳首なんて恥ずかしいものじゃない。アキにだって何度も見られているし、知らないひとにだってプールとか見られている。なのに今は無性に恥ずかしい。 透けた和清の乳首目掛けてアキの人差し指が伸びてきた。 「えいっ」 「うっ」 和清は腰を引いて呻いた。 引かれた腰はすでにテントを張っていた。 アキが首を少し横に傾げる。 「乳首の感度いつもよりよくないですか?」 「そ、そんなことないよ」 顔を真っ赤にして否定した。 乳首が痛いほどに勃ってるなんて口にできない。 アキは片腕を和清の首に回して抱きつき、耳元でそっと囁く。 「いつの間に乳首開発されちゃったんですか? 部長にですか? それとも自分で?」 「知らないよ、そんなこと……」 「部長にだったら、ちょっと嫉妬しっちゃうなぁ。攻めの座を部長に譲って、今は受けやってますけど、たまに攻めの血が疼くんですよねぇ」 指の腹でワイシャツ越しに乳首を摩ってきた。布が擦れるたびに和清は鼻から吐息を漏らしてしまう。 「んっ……んん……」 乳首がジンジンする。 堪らず和清はアキの小柄な体を抱きしめ、その髪から水が滴る首筋に顔を埋めた。 華奢な首筋を流れた雫。 雨ではなかった。 湿気を多く蒸し暑い個室内で、アキは首に汗を滲ませていた。 甘酸っぱい香りがする。 清和の胸は張り裂けんばかりに木霊した。 胸板を手で触られているので、きっとドキドキも伝わってしまっている。そう思えば思うほど、余計に胸がキュッと締めつけられる。 アキの手が温かい。 辛抱ができず和清は股間をアキの下腹部に押しつけて、ぐりぐりと円を描いて動かした。 「やっン、センパイったら」 乳首を弄ぶ手とは逆の手を和清の股間に伸ばす。 ズボンの下で上を向いて硬くなっている。 手のひらに伝わってくる亀頭の形。 触られた和清はゾクゾクと背筋を強ばらせた。 そのまま竿を擦られると、ひざが震えて腰が引かれてしまった。 股間を刺激された相乗効果で乳首がさらに気持ちいい。 アキの手はお尻のほうまで伸び、そこから玉に軽く触れながら竿を登り、また亀頭まで戻ってくる。 「センパイは攻めと受け、本当はどっちが好きなんですか?」 「んっ……ううっ……」 歯を軽く食いしばって和清は耐えるので精一杯だ。 「どっちなんですかぁ?」 「うっ……んうんっ……」 「マゾっぽい感じですよね。やっぱり部長に攻め譲ったのは失敗だったかなぁ」 「挿れ……たい……」 呻くように和清は囁いた。 「えっ?」 目を丸くしてアキが聞き返した。 「挿れるのも……好きだよ……アキちゃんのお尻すごく気持ちいいから」 「ホントですか、うれしい!」 「だって優輝センパイは挿れさせてくれないから」 「もぉ……なんであのひとの話になるんですか。カズセンパイ最低です!」 急にアキが和清の躰から身を離して、プイッとそっぽを向いてしまった。 「帰ります」 アキはカギを開けて外に出ようとしていた。 「待ってよ」 呼び止められた同時にアキの腕が掴まれ、その体がグイッと引き寄せられた。 激しく唇が重なった。 目を閉じずに瞳を丸くしたアキの胸が高鳴る。 和清のほうから舌を激しく絡めてくる。情熱的でいやらしい。 汗ばむふたりの肉体。 すごく積極的な和清がいる。野性的で荒々しい。 呼吸を乱しながら和清はアキに背を向けさせ、両手を壁につけさせて腰を鷲掴みにしてグイッと持ち上げた。 「いやっ、センパイ激しくいないで」 無言で和清はアキのショーツをズリ下げた。途中、先っぽが引っかかって、先走り汁を散らしながら跳ねた。 和清はしゃがんで小ぶりな尻の割れ目に鼻と口を挿し入れた。 「いやっ、挿れるのはいいけど、舐めるのはダメですっ、汚いですから、ああっン!」 アキは壁に爪を立てた。 じゅば……じゅば……ずぶぶぶぶ…… 卑猥な音が立てられる。 ぐっしょりとした舌でイケナイ穴が舐められている。 顔を赤くしたアキの瞳は潤んでいる。 「センパイのこと……好きですけど……そこ舐められるのは……うううっ」 和清が顔を離しながら、口いっぱいに溜めていた唾液をだら~と菊門に垂らした。 唾液が股間をすべり、竿のほうまで垂れていく。 今度は手が尻の谷間に滑り込んできた。 「ああ、指がっ!」 くはっと息を漏らすようにアキは口を大きく開けた。 中指が侵入してきた。唾液が潤滑剤になったのか、ぬぷっと簡単に這入ってきた。 根本まで指が呑まれたかと思うと、一気にコルクのように抜かれた。 「はうっ!」 かと思うと、また指が這入り、また抜かれる。それを何度も何度も繰り返される。 「ああっ、センパイ……乱暴にしちゃいやです……センパイ……カズセンパイ……なんか言ってくださいよぉ」 黙々と和清はアナルを楽器のように扱う。 ヌポンっ、ヌポンっ、ヌポンっ! 和清の声が聞こえない。なのにお尻を弄られ続けている。顔の見えないだれか知らないひとに弄られているのではないかという倒錯。 チャックの開く音がした。 アキは想像した。 太くて逞しい男根がすぐ近くにいる。 「ひゃっ」 小さくアキは悲鳴をあげた。 尻の割れ目に亀頭が擦りつけられている。 腰のがゾクゾクとする。 「あたし犯されちゃう!」 アンモニア臭のする男子トイレで顔の見えない相手に犯される。 穴に先端を当てただけで、中へとズブズブ呑み込まれていく。十分にほぐされてあったからだ。簡単に男根を咥えてしまう。 「ああっ、いつもよりも大きい気がします!」 充分ほぐされているにもかかわらず、普段よりも大きいと感じるということは、かなり大きくなっているのかもしれない。 アキの腰が鷲掴みにされ、ガツガツと突かれはじめた。 「あうっ、あうっ……あうぅン……激しい……もっと優しくしてください……ああっ!」 突かれるたびに腰が持ち上げられる。 アキはひざを震わせながら、力なく両手をついていた壁に、さらに両ひじまでつけてもたれかかった。 「激しい……壊れちゃう……壊れちゃいますって……カズセンパイどうしちゃったんですか!」 汗の混じった雨水が全身から飛び散る。 ガツン、ガツン、ガツン! 激しいピストン運動に合わせて、アキの股間で跳ねるモノ。先走り汁がピシャッ、ピシャッと壁に掛かっている。 アキの髪の間に手が入ってきたかと思うと、掴まれてグイッと頭を後ろに引っ張られた。 「あうっ!」 同時に背後から低い呻き声が聞こえた。 「いく」 爆発的に直腸の中で男根が膨れ上がった。 ドビュッ、ビョルルルルルボボボボドルゥリゥッ! 大量のザーメンが排泄器官を逆流する。 ヌポンッ! 男根が菊門から抜かれ、よろけた和清が後退ってから、肩で息を切らせた。 「はぁ……はぁ……」 アキもよろめきながら、おなかを押さえて便座に腰掛けた。 「ううぅ……カズセンパイひどいですぅ。ちょっと激しすぎですよ」 大量の汗を額から拭って和清は気まずそうに顔をした。 「ご、ごめん……なんか我慢できなくて、アキちゃんのことめちゃくちゃにしたい衝動に駆られて……」 「ちょっとお尻イタイです」 少し怒ったふうに言ったが、本当に怒っていないのは、その瞳を見ればわかる。 ぶりゅりゅ…… 微かに卑猥な音がした。 アキはトイレットペーパーをクルクルと巻き取り、お尻を拭いて立ち上がるとショーツをはき直して水を流した。 「今日のことは水に流してあげませんから」 トイレのカギを開けて、アキは早足で外出に出て行ってしまった。 「待ってよアキちゃん」 小走りで和清はアキを追いかけた。 そして、二人が公衆トイレの建物から出ると、もう土砂降りの雨は上がっていた。 空を見上げると、雲の切れ目から眩しいほどの太陽が顔を覗かされている。 アキが空を指差して声をあげる。 「あっ、虹だ!」 空にかかる虹の架け橋。 その方向にアキは歩いて行き、ふと立ち止まって振り返った。 「今度アイスおごってくださいね」 無邪気に笑うその笑顔は虹に負けないくらい輝いていた。 れいん おしまい |
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