第12話_Animal(後編)
「さぼってないでしょうね……ッ!?」
 と、言いながら入ってきた優輝は、2人の姿を見てフリーズした。両手には1本ずつミニペットボトルを持っていた。
 目が合った和清もフリーズで血の気が引いて真っ青になっている。その股間で萎縮してミニサイズになったおちんちんから、勢いなく白濁液がトクトクと漏れていた。
 状況を把握して我に返った優輝は、慌てたようすで2本のペットボトルを背中に隠し、真っ赤な顔で怒りをあらわし2人に詰め寄った。
「な、なにしてるの!」
 たとえ現行犯で、現場をばっちり見られてしまっても、ナニしてましたなんて和清は口が裂けても言えない。
 和清とアキの関係は優輝ももちろん知っている。が、だからって許したわけではないし、陰でコソコソ2人がやってるのも気に食わなくて、何度もその場を襲撃したことがある。
 でも、今回は優輝のリアクションから、まさかの展開だったのだろう。
 いつの間にか優輝が本妻、アキが愛人という構図ができあがっていて、アキはそれでもいいとうな感じだが、優輝はよく思っていない。
「カズ君ヌッ殺す!」
 そして、優輝の怒りが向けられるのは、アキではなく和清。
 慌てふためいて和清は立ち上がり、萎えているブツをしまおうとするが、焦ってうまくファスナーの中に突っ込めない。
「ち、違うんです!」
 どこも違わない。
 アキはまったく悪びれた感じもなく、鼻の頭についた汁を人差し指ですくって、ペロッと舌を出して舐め、ニッコリと笑いながら優輝に顔を向ける。
「そうだ、部長もいっしょに動物さんゴッコしましょうよ。うん、ナイスアイディア!」
 すぐにアキはダンボール箱からカチューシャを取り出し、強引に優輝の頭に装着しようとした。
 手を頭の前で振ってイヤがる優輝。
「やめなさいよ!」
「いいじゃないですか部長」
 ニヤニヤ笑いながらアキはカチューシャを優輝の頭に固定した。
 優輝がつけられたのはネコ耳だった。その表情はムッとしており、頭に手を伸して外そうとしたところ、和清がボソッとつぶやいたのだ。
「……可愛い」
 優輝の手はネコ耳に触れる寸前で止まった。ほんのり頬が紅く色づく。
 2人のようすを見たアキは一瞬だけ、むくれ顔をしたが、すぐに満面の笑みをつくった。
「うんうん、ちょーカワイイです。子猫ちゃんおなかすいてませんか、こっちにミルクがありますよぉ」
 アキは和清の前でひざまづき、ぶらんとしたままになっていたおちんちんを握り、振り返って優輝に顔を向け言葉を続ける。
「子猫ちゃんが飲まないなら、あたしが飲んじゃおうかなぁ」
 明らかな挑発だが、優輝が乗らないわけがなかった。
「カズ君はわたしのものなの。その精液一滴たりとも!」
 ツンツンしながら歩き、優輝はアキから肉棒を奪った。もうすでに手の中で膨れて脈打っている。
 長い髪を片耳にかけて、そちらを上に向けるようにして顔を少し傾け、ネコ耳をつけた優輝が亀頭の先っぽを舐めはじめる。まるでネコがミルクを舐めるようにチロチロ音を立てて――。
「カズ君、いっぱい出さないと承知しないからね?」
 キリッとした瞳で釘を刺した。
 そんなこと言われても、1度目よりも2度目が薄く量も少なくなってしまうのは仕方ない。
「無理ですよ……うっ」
 和清は上目遣いの子猫が堪らなくイヤらしくて、目が合った瞬間に股間に電撃が走り、思わず身悶えて腰を引いてしまった。
 同時にしゅわっと漏れてしまった先走り汁。出した直後なので、ザーメンが混ざって白濁している。それを吸い尽くそうと舌が鈴口の割れ目にまで這入ってくる。
 亀頭と違って、鈴口の割れ目はまだまだ敏感。舌の先が這入ってくると、ゾゾゾッと電流が走ったようにくる。
 和清は堪らず肉棒に添えられていた優輝の手を軽く握った。
「尿道責めなんてヒドイです……だってそこおしっこの穴なんですよ」
 横でアキが笑った。
「今さらですよカズセンパイ。お尻の穴でいっぱいしてるんですから、おちんちんの穴なんて大したことないですよ」
 和清は自分の姿を見ることができない。けれど、優輝のネコ耳姿を見るだけで、胸がきゅんとしてしまう。
 肉棒を舐めながら、ときおり上目遣いでイタズラな笑みを浮かべる優輝。それがとてもネコ耳とマッチしているのだ。
 ヤラてることはいつも同じ。なのにネコ耳ひとつで胸が高鳴り、いつもと違う非現実的な世界に誘われる。
 和清のふとももがキュッと内股になった。足の先に力が入る。
「イッ」
「まだ早い」
 冷たく言い放つ優輝。
 金玉がキュンと収縮するように動いた。
 和清は表情を固くして、口を真一文字に結び、額から珠の汗を流した。
 イキそうだ。
 じゅわ。
 白っぽさが混ざった先走り汁が漏れてしまう。
 和清は呼吸を止めた。気を抜いて息を吐いた瞬間に、同時に果ててしまいそうだった。
 しかし、息を止めていられるのも限界がある。
 舌をチロチロと動かしながら、唇が竿の先端からカリの段差を這った。
 和清は目を強くつぶった。視界が閉ざされ、快感がより研ぎ澄まされ、舌と唇の感触を男根がすべて受け止めてしまうが、目をつぶらなければならないほど、全身に力を込めていなければイキそうだったのだ。
 このとき、アキはそっと和清の背後に回って、無邪気な笑みを浮かべていたのだった。
 まるでそれは満員電車で痴漢が女の尻に手を伸すように、アキは淫らな動きをしようとしていた。
 お尻を軽く触るなんて前戯はなかった。
 一気に中指が和清の菊門にぶっ刺さった。
「うっ……ひぃッ!」
 ビュッ!
 すかさず優輝は顔を反らせて避けた。
 ズビュビュドプドプッ!
 2度目なのに濃くて量が多い。床にミルクを溢したように小さな水溜まりができた。
 それを見たアキは残念そうだ。
「あぁ~あ、もったいない。床にぶっかけるくらいなら、ここに出して欲しかったなぁ」
 と言いながら、アキはいつの間にか和清の前に回り、腰を曲げておしりを突き出しスカートをめくり上げた。
 露わにされた桃尻が右へ左へ愛らしく振られる。
 和清はツバを呑み込んだ。まだまだ肉棒は猛ったまま、上を向いてビクンビクン首を上下に振っている。
 さらに誘うようにアキは両手で尻の割れ目をグイッと開き、恥ずかしい菊皺を晒してヒクヒクさせた。
「挿れていいですよぉ、お返しに」
 ――我慢できない!
 ブスッ!
「ぎゃあっ!?」
 悲鳴をあげたのは和清。その背後で優輝が冷笑を浮かべる。
「カ~ズ~く~ん、なにをする気だったの?」
「ひゃあ……ああっ……」
 和清のケツ穴にぶっといモノが突き刺さっている。それをグリグリ中で動かされ、かき混ぜられ、グズグズに犯されているのだった。
 物欲しそうな瞳でアキは2人のようすを見ている。
「ずる~い、あたしも挿れて欲しいのに。もちろんカズセンパイのおちんちんですよ」
 アキは腰を曲げながら、和清の肉棒を握り、自ら菊門に導いてズブズブと挿れた。
「ああっ、カズセンパイのおちんちん美味しいです!」
 イヌ耳で四つん這いの後ろ姿はケモノそのもの。淫らに溺れて歓喜の声をあげる。
「あはっ、スゴイィ……今日のカズセンパイ激しいぃですン!」
 しれもそのハズ、激しくしているのは和清ではなく、優輝だった。
 容赦ない優輝の突き上げ。腸の襞が伸され、背筋までピンと自然と伸びてしまう。
 半ば放心状態で和清は上向いて呻く。
「ひぃぃ……ひぃ……ッ」
 ズン! ズン! ズゥン!
 優輝に突かれるたびに、連動して和清がアキを突く。
「カズ君まだ出しちゃダメだからね!」
「ひゃぁ……もう限界……もうっ!」
「カズセンパイのまたあたしの中で大きく……あぁン、スゴイですぅ!」
 2人に挟まれた和清は、前も後ろも犯され、強制的に快感が肉棒の付け根あたりからズンズンと腹に響き、天に昇っていく快感が脳味噌を蕩けさせる。
 優輝が和清の背中に密着してきた。そろそろと細い指先が、ワイシャツの中へと侵入してきて、和清の乳首を触れるか触れないかくらいで摩った。
「ひゃふ!」
 まるで女の子みたいな悲鳴をあげた和清。
 ちっちゃな男の子の乳首が、ビンビンに勃起して、イタズラな指先によって弄ばれる。
 優輝は舌舐りをして、和清の耳元でささやく。
「わたしとメス犬のどっちが気持ちいい?」
「ああっ、それは……」
 和清は即答できなかった。ここは優輝を立てなければ後が恐い。かといって、まさに入れてる真っ最中のアキのケツマンコを前にしたら、小心者の和清はアキのことも気遣ってしまう。
 しかし、即答できなかった最大の理由は、どちらも気持ちいいという本音があるからだ。
 ヌプヌプと肉棒に絡みついてくる直腸。アキがいきむとヒダの1つ1つが生き物のように、さらに蠢いて絡みついてくる。とくに菊門の締め付けはきつい。カリ首が輪ゴムで締められたように、抜こうにも抜けない。
 自分の肉棒が締めつけられているように、和清は優輝のモノを締めつけていた。
 アキは締め付けを巧みに操り、緩くなったりきつくなったり、キュウキュウと断続的に繰り返し、蠢くような刺激で快感をもたらす。が、和清は迸る快楽に身を任せることしかできず、脊髄反射的に躰を動かすことしかできない。
 直腸を抉られ、削ぎ落とされるような刺激を与えられるたびに、肉棒が付け根から鉄のようにガチガチに硬くなり、痺れて痛いほどだ。そして、いったん力が抜けて弛緩し、また強制的に全身が硬直させれる繰り返し。この急激な変化は体に大きな負担をもたらし、息が上がって酸欠状態になってしまう。
 頭が真っ白だ。
 指や足先から痙攣が広がっていく。
 全身がバイブになってしまったように、和清は自らの震えで肉棒もケツマンコも小刻みに痙攣して、それが優輝とアキの肉体と擦り合わされ、さらなる快感が高まり昇っていく。
 優輝が舌をチロチロと和清の首筋を舐める。まるでネコのようだ。
 目と鼻の先に優輝の顔がある。気持ちいい匂いがする。和清はそこにある優輝の唇にしゃぶりつきたくて堪らなかった。
 ――襲いたい、襲いたい。
 けれど、強引なことをしたら、優輝のことだ、なにをされるか……。今ならネコのようにするどい爪で引っかかれてしまうかもしれない。
 優輝自身も気持ちよさそうな表情で舐めている。とても美味しそうだ。邪魔をしたら殺される。
 でも我慢できない。和清は憤りでどうしてわからず、アキの尻を両手で鷲掴みにしてコネくり回した。
 肉棒とケツマンコの結合部がよく見える。
 和清は下半身が爆発して、全身が吹き飛んでしまうほど、もう辛抱が堪らなかった。
「ああああああっ! もうおかしくなりそうだ。イキたい、センパイお願いします!」
 優輝を呼びながら激しく腰を振った。和清にヤられているのはアキだ。
 堪らずアキは仰け反って涎れを迸らせた。
「わはぁン! そんなにそこばっかり、お尻をグリグリされながら……中を激しく……きゃあン!」
 四つん這いのアキは、イヌ耳を激しく振り乱しながら、両手をグーにして汗を握った。
 和清は優輝を求めながら、アキに性欲をぶつけてしまう。それはアキが積極的に和清を誘うせいもあるが、優輝に対する和清の行き場のない感情のぶつけ場所として、アキに甘えてしまっている面もある。
 快感に溺れる2人を目の前にして、優輝はだいぶ気に食わないようだ。
「カズ君、メス犬のケツマンコのほうが好きなの、ねぇ?」
 トーンの低い内蔵を抉るような冷たい声音。
 優輝は和清の腰に爪を立てて鷲掴みして、ドズッドズッと直腸を突き抜け腹を破る勢いで重い一撃を何度も喰らわせる。そのたびに腹が盛り上がって、アレの形状が浮き出ているではないか。
「ひ、ひゃああ……センパイ……ち、違うんです……我慢できなくて……ついぃぃぃっ、もうゆるし……ひゃぁぁぁ~~~」
「気持ちよければなんでもいいってわけ?」
「そ……ンっ……なことぉぉぉっ!」
 弁解しようにも、舌がもつれてしゃべることができない。
「あたしは気持ちよければイイですけど」
 途中で口を挟んできたメス犬に優輝はイラっとした。
「あんたは黙ってて!」
 ズギュン!
 優輝の激しい一撃で和清の肉棒が連動してアキの奥の奥まで突き上げた。
「うぽっ!」
 口を大きく開けてヨダレをどぷっと吐いたアキが、白眼を剥いてアヘ顔を晒した。
 ハンマーを振り下ろすように優輝が腰を振るたびに、アキが目を白黒させて糸を引くヨダレを垂らし続ける。
 挟まれている和清は呼吸を荒くして天を仰いでいた。
「ひっ、ひっ、ひっ、ひっ……ゆるじで……ぐだ……ひゃああああっ!」
 快感で可笑しくなり、涙が感情とは関係なくあふれてくる。
 全身を痙攣させる和清は躰に力が入らず、ケモノのようにアキの背中に覆い被さった。
 カズの肉棒を奥まで咥え込んだアキは、床に向かって勢いよく噴き出した。
「あああああっカズセンパぁぁぁぁぁイ!」
 ビシャアアアアアアアアッ!
 白濁液が床で跳ねて飛び散る。
 括約筋に和清の肉棒が強く握り締められる。
「ひぃぃぃっ、ごめんなしゃあぁイイイッン!」
 謝りながら和清は大量の子種を穴の中に吐き出した。
 どりゅりゅるるるるるるっ!
 腸の中を駆け巡る白濁液。アキのお腹がぐるると不穏な音を鳴らす。
 ゾッとする声が和清の背中に浴びせられる。
「なに勝手にイッてるの?」
 さらに優輝は機嫌を悪くしていた。
 ガズゥンッ! ガズゥンッ!
 和清のケツマンコを崩壊させるほどの衝撃。破壊神と化した優輝の腰の振り。
「メス犬の中で出して気持ちよかったカズ君? ほら、もっと出せば、出したいんでしょう、手伝ってあげるから出しなさいよ!」
「ヒィィィィィッ、セ……ン……バババババッボあぁン!」
 穴という穴から汁が噴き出してくる。和清は涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして、許しを懇願しようとしたが、頭が快感で狂ってわけがわからない。
 激しい突きを繰り出していた優輝が急に口を結んだ。
「んっ」
 鼻から漏れた熱い喘ぎ。後先考えない激しい腰の振りで、自分自身のモノも激しく刺激され、イキそうになってしまったのだ。相手を滅茶苦茶にして制裁を加えるつもりが、自分がイッてしまうなんて、優輝のプライドが許すはずがない。
 しかし、今までの蓄積が溜まりに溜まっている。噴き出すには充分の白濁液が製造されていた。
「カズ君ごめんなさいは? 早く言わないと絶交だからね、いいのカズ君!」
 早口でまくし立てるのは自分のためだった。優輝はもう限界だ。
「ひぃぃぃごめんな……ああああああぁイイッ!」
「仕方ないわね、今日だけは……あぅ……許して……あげ……ンっ!」
 優輝は激しく振っていた腰を止め、一気にケツマンコから限界のモノを引き抜いた。
 スッポン!
 どびゅっ。
 少し噴き出た。
 すぐさま優輝は和清の髪の毛を掴んで、顔を自分のモノに向けさせた。
 ドババババババババッ!
 マシンガンのように噴き出す白濁液。
 それを和清は顔いっぱいに受け止めさせられた。目も開けられない。どっぷりと濃い白濁液は、垂れずに顔に張り付いて剥がれない。
 垂れそうになった鼻水を啜ろうとしたら、白濁液まで鼻の中に入ってきて和清は咳き込んだ。
「げふっ……ぶふっ」
 酷い有様だ。顔にぶっかけられるなんて。顔だけでなく制服もベトベトだし、ここは学園内なのだ。顔を洗いたくても部屋を出たとたんに、だれかと鉢合わせだってありえないことではない。
 目の見えない和清には声だけが聞こえた。
「じゃあね、カズ君。わたしは先に帰るけど、ちゃんと掃除して帰るのよ」
「えっ……セ、センパイ、この顔どうしたら?」
「それはあたしが舐め取って綺麗にしてあげます。カズセンパイのじゃないけど、カズセンパイのお顔をペロペロできるなら……わっ、痛い、ぶ、ぶちょー!」
 なんだかアキの声が途中から遠ざかって行った。
 そして、ガラガラガラ――っと扉が開けられる音がしたかと思うと、バシンっと閉められた。
 シーンとする室内。
「セ、センパイ? アキちゃん?」
 手探りで和清は床を浚うようにあたりを調べた。すると、手になにか固い物があたった。
 薄目を開けてそれを確かめると、2本のミニペットボトルが床に転がっていた。ホット専用の文字がラベルに書かれているのに、すっかり冷え切ってしまっている。
 ふと、和清は優輝が部屋に飛び込んできたときのことを思い出した。
「センパイ……」
 自分の犯した過ちを痛感して和清は落ち込んだ。
 そして部屋を見渡した。
「だからってこれは……」
 床中にぶちまけられている白濁液が臭い立っている。部室の大掃除のはずが、とんだ後始末をやらせるハメになってしまった。

あにまる おしまい


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